Sun Set Days
DiaryINDEX|past|will
| 2004年01月23日(金) |
『サービスの教科書』 |
『サービスの教科書』読了。高萩徳宗著。アスカ出版社。
Amazon.co.jpの本のページで紹介されていて、面白いかもしれないと思って購入し、読んでみた。実際、読み終わってさっきページを見てみたら1時間ごとに更新のベストセラーで第2位になっていた(本のトップページで紹介される露出度はやはり重要なのかもしれない)。 そのAmazonのサイトでは、
「接客」と「サービス」の違い、サービスのセンスを磨く方法、クレームの対処法など、サービスの基本をわかりやすく解説した『サービスの教科書』。イライラしている店員や、特定顧客への過剰奉仕といった、客足が遠のく事例や、感動を呼ぶサービス実例など多数紹介。
と紹介されている。 確かに紹介されている通り非常にわかりやすく読みやすく書かれていて、あっという間に読むことができてしまう。 内容としては、多くの人々がサービスの意味を履き違えているということを繰り返し、本当の意味でのサービスを提供することの重要性を伝えているというもの。 それなので、「全てのお客様に誠心誠意」や「サービスはタダ」という思い込みは間違っており、「できることと、やらないことを明確に伝え、期待に近いものを提案する。接点が見出せなければサービス提供を断る」といった「売れるサービス」が重要であると説明されている。他にも、わかりやすいところで言えば体育会系の大きな「いらっしゃいませ」は自己満足に過ぎないなどと書かれている(そうではなく、お客様の方を見て笑顔でいらっしゃいませということの方が大切)。
読んでいると妥当性のある話が多数書かれていて、納得しながら読んでいくことができる。もちろん、だからと言ってそこに書いてあることをすぐに実行しようというようにはならないのだけれど、ただ、本当のサービスというのは何なのだろうと考える一助にはなると思う。感動体験を与えるようなサービスを行うことが重要だと書かれてもいるのだけれど、それだってもちろんそういった姿勢を持つことは重要なことであるけれど、現実にはすべての業種や企業で実行することは難しいし(たとえば、マクドナルドの店頭で感動するようなサービスを常に行うことができるのか? と考えてみればわかると思う)。 ただ、サービスについて考えていくうえで、参考になる部分は多かった。 特に印象に残ったのは、「動機と意図をつかめば、提案が変わる」というもので、「お客様の話を聞き取れて、購買の意図が把握できると、提案自体が変わります。」という部分。確かに、同じ商品を購入しようとしているお客様であっても、その背景はそれぞれ異なり、何のためにその商品を必要としているのかという目的を知ることによって、提案が大きく異なってくる可能性が高い。そんなことは読んでいると当たり前のことなのだけれど、日々の仕事の中で、お客様の「目的」ということについてどれだけ留意しているのかと考えてみると、その見過ごされがちな重要性が見えてくると思う。 また、よりよいサービスを提供するためには、それに従事するスタッフの幸せや自主性が重要であるとも触れていて、それについても納得することができる。
ただし、日経MJを読んでいてもよく個店のちょっとしたサービスの工夫の記事が載っていて、それはなるほどなと思うのだけれど、ある程度店数のある企業であるとしたら、効率化や仕組みづくりの中でそれをうまく活かすための方法としてはどのような形になってくるのだろう? とやっぱり繰り返し考えてしまうのだけれど。
もちろん、本書の「サービスセンスの育て方」という部分に書かれているように、
・相手が今、何を考えているか、どうして欲しいと思っているか ・何に困っているように見えるか ・自分がどんなアクションを起こしたら、相手に喜んでもらえるか
ということをベースに考えていくだけなのだとは思うのだけれど。
――――――――――
お知らせ
今回の休みは基本的にはのんびりと部屋にこもって、それはかなり愉しかったのでした(久しぶりにいろいろ暗記もしましたけど)。
|