| 2002年03月19日(火) |
『終電時刻』なるしまゆり |
なんとなく感想を書く気になったので。 『隣の町で死んだひと』に続く『少年怪奇シリーズ』第2弾です。 このシリーズは、なるしま作品の中では地味で、フツーの作品だと思う。 どこが地味でフツーなのかというと、魔法使いも悪魔も怪物も奇病も出てこないから。真言を唱える人も悪魔祓いをする人も空飛ぶ人も出てこないから。 ちょっとばかり幽霊が出てくるからって、そんなの屁でもない。←下品
要するにこの短編集は、なるしま作品にありがちなフツーでない人々がフツーでない体験をする話ではなく、ごくごくフツーの人がホンのちょっとフツーでない体験をする話、と言える。多分。 日常と非日常の境目なんて、案外そんなものかもしれない。アナザーワールドは、本当は私達と背中合わせに存在していて、ボタンの掛け違いみたいに、うっかり足を踏み込んだらそこは非日常な空間だった、ただそれだけのことなのかもしれない。 でも彼らはフツーの人々だから、また日常の空間へ還って行く。何事もない当たり前の毎日が、そこからまた始まる。本編には描かれない、エンドマークのその先の話。
地味でフツーだけど、私はこういう話は結構好きです。 ついでに言うと『ディープフリーズ』に出て来た「テシロサワ ユタカ」さんはすっごい好きです。 ハンサムで、素敵で、変(←ここらへん一番強調)v 続き描いてほしいー。
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