| 2002年12月17日(火) |
犬神くんと森島さん(桑田乃梨子) |
ついに出ました。 史上最弱の狼男・犬神鷹介と史上最強の女教師・森島恵子のシリーズの夢の(?)合体文庫化です。
気弱な狼少年・犬神くんの物語も大好きなのだけど、なんてったって森島恵子。 23歳。職業・高校教師。趣味は制服ウォッチング。美少女と水着と体操着をこよなく愛し、好きな言葉は「やらずぶったくり」。 やられたらやり返す。むしろ10倍にして返す。やることなすこと大雑把。彼女の辞書に「計画性」という言葉はない。 まさに人生の師と仰ぎたい程えげつない女である。(オイオイ) そんな彼女の彼は5歳年下の広瀬。頭も良く真面目で爽やかなスポーツ少年の高校生(!) なんだか設定だけでもムチャクチャおいしいじゃあーりませんか。
正直言うと、森島先生は本当に羨ましかった。 この作品を読んでいた当時、私も高校生で(しまった、歳がモロバレだ)23歳は作中にもあるが文字通りの「年増」だった。高校生というのは、自分がハタチを越える日が来るなんて考えもしないものなのだ。 その23歳が年下の男の子をゲットする。別に自己投影をしていたわけでもないけど、自分が同じ年になった時、「そういうこと」もアリだったら楽しいなーと漠然と思ったりはしていた。 そして今、私は23歳から「年増」と呼ばれる歳になってしまった。無論年下の彼氏などいるはずもない。これから出来る可能性も限りなく低い。 現実はかくも厳しく、なべて人生は盛者必衰・諸行無常なのだ。 でもまぁ、夢みるくらいはいいじゃない?とこの作品を読み返して思ってしまった。 未来を夢みてたあの頃に、気持ちだけでも戻れるのは楽しいから。
それにしても、この作品に出てくる2大メイン男性キャラは、ことごとく女性にとって都合のいい男だ。 広瀬はソツがなくて将来性もあって真面目で誠実な好青年で、どういうワケか森島先生に心底惚れている(笑) 本当に森島先生のパンチなしでは生きられない身体になってしまったのかもしれない。ある意味不毛な刷り込みだな広瀬よ。 そして森島先生の同僚の北先生は、優しく穏やかで家庭的。いつも笑みを絶やさず奥さんにはベロベロに甘い。今読み返すとマジで結婚してほしいよ北先生。 こんなん現実にいるワケないよなーと思いつつ、でもいないからこそ、楽しく読み返して幸せな気分に浸れるのかもしれない。
マンガってそういうものですよね…きっと。
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