| 2003年05月17日(土) |
マイナー系のコミックレビュー:その2 |
まさか第2弾を書くとは思わなかった…。
「ひみつの階段」「ひみつのドミトリー 乙女は祈る」/紺野キタ/ポプラ社
突然ですが、私は女子校出身者です。 乙女の園というものは、周りが思っているほど美しいものではなく、ハッキリ言うと男性の目がない分、人様にお見せできない部分も多少あります。 でも、それでも。 女の子だけの空間というのも、結構悪くなかったなーと卒業してから思うのです。
「ひみつの階段」シリーズは、祥華女学院の寄宿生の少女達が出あう、当たり前の日常と少し不思議な世界の物語。
少女である時間はとても短くて、ある意味特別な時間だったと少女期を過ぎて初めて思う。 今更あの頃に帰りたいなんて懐古的なことを言うわけじゃないけど、この物語を読んでいると妙に懐しく感じる。 私の高校時代は、楽しいことばかりじゃなかった。 進学校だったので勉強とテストに追われる日々だったし、少女らしいお洒落なんてまるっきり無縁だった。 でも、それも過ぎてしまえば全部思い出。
丸山薫の詩に「学校遠望」というのがある。
学校をおえて 歩いてきた十幾年 首(こうべ)を回(めぐ)らせば学校は思い出のはるかに 小さくメダルの浮彫のようにかがやいている
未来への憧れ。希望。未知の可能性。そんなもので溢れていた時代。 「そこ」にいる時は、辛いことも苦しいこともたくさんあった。 同じ時を共有していた仲間達も、皆バラバラの道を歩いて行く。 だけどどんなに離れても、ふとした瞬間に心は「そこ」へ還って行く。 還れる場所がある。
そんな物語。
「今」を大切にしつつ「昔」を懐かしみたい。 そういう読み方をしたいお話です。 ついでのような話ですが、これを読んでいると思い出す曲は原坊の「少女時代」。もっと遡るとペギー葉山の「学生時代」?(笑)←古すぎ
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