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2004年01月31日(土) 映画

● ラスト・サムライ
監督: エドワード・ズウィック
出演: トム・クルーズ/渡辺謙/真田広之/原田眞人/小雪


ネイサン・オールグレン大尉(トム・クルーズ)はさまよえる男だ。彼が戦った戦闘は今や過去のささやかな出来事に変わり果てた。彼はかつて名誉と国のために命を賭けた。しかし南北戦争以降の数年間に世界はすっかり変わってしまった。実用主義が勇気に、利己主義が自己犠牲に取ってかわり、名誉などどこにも見られなくなった。とりわけインディアン討伐戦における彼の努力が失望と悔悟に終わった西部には。

ウォシタ川の岸近くの平原で、オールグレンは魂を失った。
はるか遠く離れた地では、もう一人の戦士が、自分の信じてきた生き方が危機にさらされていることに気づいていた。彼の名は勝元(渡辺謙)。天皇と国のために代々命を捧げてきたサムライ一族の長として深く尊敬されている男だ。先住民を追い詰め追いやりアメリカの西部を侵略したのと同じように、近代は伝統的な日本をも飲み込もうとしていた。発展の象徴である電線と鉄道が国土を覆い、サムライが何世紀にもわたって生き死にの拠り所としてきた価値観や規範は軽んじられるようになった。

しかし勝元は戦わずして去るつもりはなかった。
日本の若き天皇(中村七之助)が、日本市場で金儲けを目論むアメリカ人達の助言を受け入れて日本初の近代的軍隊を訓練する教官としてオールグレンを雇った時、二人の戦士の運命がひとつに重なった。その頃、天皇の側近達は、外国貿易に積極的な近代国家の建設を目指し、サムライの根絶を企てていた。やがてサムライと遭遇したオールグレンは、彼らの生き方に思いがけなく大きく心を動かされる。それは、彼らの堅固な信念が、かつての自分の姿を思い出させるものだったからだ。

さまよえるアメリカ人戦士は、人生も、そしておそらくそれよりも大切な魂をも不安定な状態のまま、苛酷な未知の土地に足を踏み入れ、最後に残った誇りと名誉だけに導かれて、二つの時代と二つの世界の間の激しく勇壮な戦いに身を投じるのだった。


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