闇の底に...Cuckoo

 

 

- 2004年06月19日(土)

動物が好きだった

小学校の端っこにある金網のむこうには
小さなウサギが子供を産んでいた
違う金網の箱の中には
六年生の男の子ですら怯える凶暴なにわとり
二つの金網の部屋には2匹づつ
そして最後の部屋には今にも襲いかかろうと狙っているかのように
大きな大きな鳥
それでもわたしは飼育当番が訪れるのを待っている

天気が良ければ
太陽を観察する草の生えた場所で
うさぎたちを連れて日向ぼっこ
歩くときに収縮して伸びるその小さく白い身体
柔らかいその感触が大好き。

ある日先生が言った
飼育当番がいないので誰か代わりにしてくださいね
心が躍った
沢山の葉っぱを手に行ったら
何人かのクラスメイトがもう居た
『あれ?なんで来たの?』
冷たい目
『私達がするから』
そう追い出されたあの日から
小さな苛めが始まった
グループに所属していないとやりたいことも出来ない
アタシははみ出し者
そう自覚したのは
小学4年生。



久しぶり 元気!?
子供の小学校の授業参観で会った人はそう声をかけてきた
満面の笑みで話し掛けてくる
子供が入学したの?
そうそっけなく答えた
『メール頂戴よ〜』
そう上目使いで言う彼女
用なんて無いから
そう心で思いながら
『あぁ 気が向いたらね』
そう答えて立ち去った

彼女がアタシをはじき出した
飼育小屋の前で
アタシは彼女をはじき出した
きっと今でも派閥を作っているのだろう
そううわさで聞いた
一人で歩くことの出来ない人間なんだと
今なら思える

歩調を合わせて歩けない
ランチの話は出来ない
そんなアタシは
きっと昔と何も変わっていないのだけど
攻撃力だけ身につけた
それで十分だと鼻で笑いながら
何代目かの凶暴なにわとりを後にする
子供たちはそれを 今から知るのだろうか
こんな世界に子供を産んでよかったのか
今でも時々間違っている気がしてしょうがない。



                水鳥。



...




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