闇の底に...Cuckoo

 

 

17年と4ヶ月 - 2005年06月05日(日)

愛犬が生きた年月です。

犬にしてみたら 随分と長生きをしたと思う
ここ数ヶ月はいつも生と死の狭間に居た
もうだめだと思った次の日には
餌をねだって吠えていたり
けどこの1ヶ月は本当に無理なんだとわかった。

毎日歩いていた
『リハビリ』と家族では言っていた
まるで本当にリハビリでもしているかのように
ただ黙々と家の周りを歩きつづけていた
目も見えない
耳も聞こえない
吠えない
よたよたと でも歩いていた
たぶん少しばかりボケていたんだと思う

犬もボケるんだなぁと
なぜか関心してしまった
それだけきっと
今まで『考えて』いたのかもしれない
それがたとえ『えさ』と『散歩』のことだけだったとしても。

うーん 違うな
もっといろいろ思っていたように思う
母が『大好き』だったり
子供が『好き』だったり
化粧の濃いおばちゃんが『大嫌い』だったり
大きなカエルは『見えない振り』だったり
秋刀魚の骨は『大嫌い』だったり
ロールケーキが『大好き』だったり
寝言を言ってみたり
ため息ついてみたり

2日間
最近では声を出すことがなかった愛犬が
弱弱しい遠吠えのような声を頻繁に出していました
呼んでいるかのように。
それはきっと 本当に呼んでいたんだと思う
頭を撫でられるのが大好きだった
母は寝る間を惜しんで撫でつづけた
一人ぼっちが大嫌いだった
アタシと母は交互に仕事をし
傍に居た
ミルクを飲んだだけで嬉しかった
頭を撫でると目を細めた
その目はもう見えていないことはわかっていた
焦点が合わないこともわかっていた
けど触れることで鳴きやんだのは
嬉しかったんだろうと思う

朝目が覚めたら
毛布をしいたダンボールの中で硬くなっていた
3日の金曜日の夜中の2時51分だったと母は言った
眠ったまま死んでいったと

嬉しかった
前の犬は最後苦しんで死んでいったから
もう立てない
トイレも自分では出来ない
食べれない
きっとどこかが痛んでいたと思う
骨だけの体を撫でながら
どうか最後は安らかに
そう願うしかなかった

苦しまなくてよかった
眠るようにではなく
眠ったまま それが嬉しかった
幸せな夢の中を見てたらもって嬉しい
そのまま 夢が覚めないまま

もう走れるんだろう
好きなものを食べれるんだろう
沢山吠えているんだろう

やせ細ったその身体を撫でた
そうされる事が大好きだったね

アタシは泣かなかった
上から毛布を掛けて
両親が火葬場に連れて行くのを見送った



なのになんでだろう
たった今 涙が出た
急に淋しくなった
日記になんてかかなきゃよかった
止まらない涙の理由がわからない。



             水鳥。


...




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