震えた体はあたしじゃない - 2006年09月07日(木) 抱きしめるその腕が苦しくて 引き離せないほどの力に驚いて ちょっと哀れで ちょっと満足で ちょっと懐かしくって 沢山傷ついた 昨日の夜 彼に会った 預かっていた通帳を返す為に。 昼そうメールしたら嫌だと言った 会うのが嫌だって 通帳返したらバイバイなんでしょ? だったら会いたくない 捨ててもいいよそれ 人の通帳を捨てるなんてできるわけない 強引に会うことにした 最後のデートしようかって言ったら 断られた 最後のデートなんていらない それで最後になるならいらない そう言った そう 彼は離れたくないと言うのだ よりにもよってあたしが好きだと言うのだ 会って手を握った そしたら彼は 少し痩せた?と聞いてきた 数キロ減ったのは事実だけど誰も気が付かないくらいなのに なぜ暗い車内で手を握っただけで分かるのだろう 3年もの間触れ続けた体だからだろうか 少し不思議だった。 そして引き寄せられ抱きしめられた 引き離せないほどの力だった 涙が出た この腕もこの顔もこの全てがお前だけの物だと言う だからあたしは 胸を指差し ココが欲しかったのよ そう笑ったら 彼は泣いた 弱い なんて弱い人なんだろう 流されやすく誘惑に弱い 涙もろくて必要なものをすぐに何か忘れる 失ってしまったらもう戻らないものがある きっと失うことが無い人生を送ったのだろう 甘えん坊のわがままな彼を 愛おしいと思った そして悲しくなった 切なくなった 人妻の愛の告白を受け入れて 私とは別れた その報告をした時点で彼の彼女はあたしじゃない そう説明しても分かってくれない だけどあたしの心の中できっと 相手の女性に対する思いがあった 満足した けど悲しかった 裏切られたという悲しみが だんだん 黒い感情に支配される 出し切った涙の奥には 知りたくない感情 知られたくない感情 触れてはいけない部分 だから泣かなかったのかと思い出す そうだ だからだ 泣きたいときには泣けばいい そう言った人にはきっと その奥にある感情を知らないからだ 涙は綺麗じゃない 震えた体はあたしじゃない 悲しみに落ちたのはあたしじゃない 水鳥。 ...
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