りとるのひとりごと。
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ダンナの命日が目の前だ。
寒いさなか、しかも推定死亡時刻午前2時。
愛車の中、ひとりぼっちで息を引き取った。
私の知らない、人気のない場所で。
翌朝、近くの住民の通報で発見された。
とっくに手遅れだった。
どうしてもっと早く見つけてくれなかったのよなんて思ったものだ。
でも実際は、排ガス吸ったら10分であの世行きなんだって。
その上頸動脈まで切って、体中血まみれになっちゃって。
バカじゃないの。
警察が行ったときもまだエンジンはかかっていたそうだ。
ちゃんと事前にガソリン満タンにしていた。
あとになって明細が来たから分かったけど、死ぬ前にスタンドで たった7リットル入れていた。
7リットルでもいいから、とにかく満タンにしておきたかったんだな。
そういうところは気が小さいというか、周到というか。
冷たくなったダンナは、涙を流していたそうだ。
何を思って泣いたんだろう。
あと2ヶ月で会える自分の子供のこと、少しでも考えたかな。
だが。
ダンナが流した涙の数十倍、私は涙を流してるぞ。
病気や事故とは違う、自殺という死に方。
今の世は自殺者が後を絶たないが、まさか自分の夫がという感じだ。
リストラされた中年男性というイメージがあるし。
まさか20代で、妊娠してる私を一人置いていくとは、夢にも 思わなかった。
今でも夢かもと思うくらいだ。
ダンナと最後の別れをして2年。
ひょっこり帰ってくるような気もしたりして。
でも永遠に会えない。
私が死んだって会えるかどうだか分からない。
会ったら是非是非殴りたいんだけどなあ。
パーでじゃないよ、グーでだよ。
グーで、相手が吹き飛ぶくらい殴りたいね。
あー、こういう話は命日にするものかしらね。
良いんだけどね。別に。
まだお墓もないしなー。
ダンナは親不孝。
私も親不孝。
どっちもどっちか。たははは。
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