【読書記録】三浦綾子「ひつじが丘」

三浦綾子さんの本は未読でしたが、著名な作品を書いた方なので大丈夫だろうと思って、そのときは中身も見ずに帰ってきたのですが、予想以上でぼろぼろなきながらの読書になりました。あれだけ目が真っ赤になったのはかなり久しぶり…。それにしても、出版が昭和41年表記で西暦であらわすと良くわかりますが、もう出版されて40年たつわけですね。後ちょっとしたら半世紀…。本の世界、奥が深いです。もっと名作読めという教訓かもしれない。
ああ、すごい!としか言いようがないのですが、もうちょっとフィーリング的に伝わる言い方をしますと、いったん波に乗るとその世界にとっぷりと浸かっていて、その場面ごとにすごく痛々しかったり、やきもきさせられたりする筆力には圧巻。読み手の感情の捉え方が的確なので、あぁそうだよね、そうなんだよね!と思うところで、ぐっと手のひらに捕らえられているようなイメージ。こうなるかな、なったら楽に幸せになれるだろうになと思ったものは見事に却下され、だんだんと関係が複雑になる後半では悶々としてきますが、 だめだ!私の表現力が乏しくて。今年の一冊目がこれ…かぁ。笑
大人になった私が読んだらば、きっともっと違う読み方ができると思う。そういう意味でも、もう一度は読みたい本。
p326/主婦の友社/66.12

せっかくここまで書いたのだからと、ストーリー紹介しようと思ったのですが、あまりにもすごいものだったので、私の言葉に置き換えるのは難しく。amazonでご覧ください。
2007年04月15日(日)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン