【読書記録】高橋克彦「緋い記憶」

ストーリー:同窓会の誘いをきっかけに、久しぶりに旧友との再開を果たした。しかし、興味を覚え彼に見せてもらった地図には主人公が記憶していた家がなかった。記憶の食い違いに齟齬を覚え、生まれ育った土地・盛岡に訪れたのだが、友人はみなそろってそんな家はなかったと証言する。これは何を意味するのだろうか…。

というのが表題作。掌編小説をきっかけに見つけた著者なのですが、短編ではまた違った感触でした。イメージとしてはぞわぞわぞぞーという感じのホラー色が強い前半の短編、逆にホラーよりも記憶について重視した後半という印象でした。表題作はとにかくパンチが強かったので印象的でしたが、全編にわたり内容が画一的になることもなく、次はどんな記憶が出てくるんだろうなと思いつつ楽しみながら読めたと思います。NO.010■p301/文芸春秋/91/10
2008年04月20日(日)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン