みかんのつぶつぶ
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2003年10月06日(月) 季節の香りに



アイロンをかけると思い出す。
いつ着られるかわからないけど・・・、と、
二度目の入院の前日に、
彼がアイロンを動かしていた白い白いコック服。
糊をパリっときかせて力強くアイロンを押し当てて。
棺に横たわる彼の身体の上で、
白く白く・・・


柔らかいビニールボールを見ると思い出す。
リハビリ室で先生を待っているとき、
左手に乗せて握る練習をしようねと、手のひらに乗せた時、
もう、ダメだから・・・、と、
左手にボールを乗せたまま動かない指先と、そう呟く彼の口元を。



悲しく悲しくなるばかりで、
この先へと動くことを全て放棄したくなる私が、時々いる。



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