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みかんのつぶつぶ DiaryINDEX|past|will
![]() アイロンをかけると思い出す。 いつ着られるかわからないけど・・・、と、 二度目の入院の前日に、 彼がアイロンを動かしていた白い白いコック服。 糊をパリっときかせて力強くアイロンを押し当てて。 棺に横たわる彼の身体の上で、 白く白く・・・ 柔らかいビニールボールを見ると思い出す。 リハビリ室で先生を待っているとき、 左手に乗せて握る練習をしようねと、手のひらに乗せた時、 もう、ダメだから・・・、と、 左手にボールを乗せたまま動かない指先と、そう呟く彼の口元を。 悲しく悲しくなるばかりで、 この先へと動くことを全て放棄したくなる私が、時々いる。
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