
uchie◎BASSMAN’s life
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2004年03月01日(月) ■ |
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■一人芝居 |
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友達の秋山夕日さんが参加する“ひとりしばいナイト25”というのがTAKE OFF7であったので行ってきた。 彼女の舞台を見るのはもう3度目だ。友達だからというだけでなく、やはりこういう場に足を運ぶのは楽しいし好きだ。 普段ライブハウスだと好きでない音楽のジャンルはあまり聞けないけど、演劇だと割と素直にどれも見れてしまうから不思議だ。この日は10人ぐらいの役者がそれぞれ一人芝居をやるという企画だった。 秋山さんは表情の変化に富んだ人で、演技の中で不機嫌な顔と上機嫌な顔が別人のようになる。今回のネタはそれを生かして女の世間体を巧く表現していた。 他の役者で特に面白かったのは、森下創氏と蔵重智氏だった。 森下氏は引き篭もりの生徒を学校に連れ戻そうとする教師の役。面白いのは生徒の暮らしが非現実的なのに対して、教師がものすごく現実的であること。しかし次第に教師もその環境に順応していってしまうところが、引き篭もりのデフレスパイラル的なところを短時間でうまくデフォルメしていたと思う。 蔵重氏は即興演劇で、“人生の選択”というのがテーマだった。観客の一人に人生で何に迷うかと尋ねるとその女性は、 「スタバのメニューを決めるのに迷います」と答えた。 スタンダードでない答えに一瞬これは参ったなという顔だったが、ここ数年でのカフェブームの火付け役であるスターバックスに対し、普段いえないことをズバリと切り裂いた。 「スターバックスよ、私のセンスを試してるのだな?いいだろう、受けてたとう!」 などのセリフがアドリブで飛び出し壮大な曲とともに語られた。まるでハムレットか何かの演劇をやっているかのように。おそらく誰もが心の中では思っていたに違いないスターバックスのおかしなところ言い当て、よくぞ代弁してくれたという感じだった。 演劇というのはどうやら、人生の中の大きなことも日常の小さなことも同じレベルで客観的に見せてしまう力があるようだ。どこにでもありそうなことも、架空のこととして舞台の上に切り取って見ると、面白く興味が出てしまうから不思議だ。
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