夕暮塔...夕暮

 

 

君の背を押す - 2001年11月10日(土)

断崖で 君の背を押す 悲しみの 底知れぬ程の 深さを思う


君の背を 押す悲しみは 消せないが 手を離さずに ここにいるから



…………



いつか飛び降りる日が来る事を思って屋上を探す、そんな日があなたに二度と来なければいい。崖に立つあなたの片手を握る事を許してくれたなら、命の底を見下ろすその後ろに、私はじっと佇む。あなたに最期の場所を探させる、悲しみを癒せない自分を憎む事はすまい。けれど私は諦めない。冥い目をしたあなたを、決して諦めない。



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日本橋で草月のいけばな展を見てきた。睡眠不足でかなり疲れていたので、途中下車をやめて、そのまま帰って眠ってしまおうかという誘惑にかられた。土曜のデパートは人が多くて疲れる。しかし私の先生の作品が今日で展示終了なのだ。どうしても見たい、そう思い直して会場に辿り着いた。
デパートのエントランスホールの大きな作品は前回の方が好みだったな、と思いながら入場する。傾向がやはり前と違うようだ。時節柄もあるのだろう、針金や電飾を使った作品が少なく、代わりに枯れものがよく用いられている。草月は本当にいけばなというよりは現代アートだ。鮮烈で感覚的なものが多い。氷柳の鳥篭、冠のように巻き付いた白いイバラ。じわりと涙が滲んだ。


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