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銀座にて - 2002年03月03日(日) 銀座の花屋さんの品揃えはやはりどこか気取っていると思う。けれどそれも当然か、あまりに場所が良すぎるのだ。メゾンエルメスの隣、曇り硝子を透かして店内の階段を昇る人の足下が見える。友人が花束を作って貰っている待ち時間、はじからじっくりと切り花を眺めつつ、私はどうにも眠くてふらつきそうになる。もう1人の友人が笑いながら指差した極楽鳥花、「あれにすればいいのに」と彼女は笑う。確かにインパクトなら負けないだろう。数多手にするかわいらしい花束の内でも群を抜いて目を引くに違いない。この花、別名は何だっただろうと思って考える、けれど思い出せない、眠くて頭が回転しない。思い出せる時もある筈なのに。 「…ごめん、もうだめ、倒れそう…」 限界を訴えてその場を1人後にする。行きつけの美容院のビルを見つける、もう近々来なければと思いながら頭の中でスケジュール帳を開く。しばらくは難しそうだ。 -
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