夕暮塔...夕暮

 

 

花の色 雲の影 - 2002年03月22日(金)

寂しさのつのるこの道にさくら散る 君よ振り向いて 今一度だけ




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5階から見下ろす窓の外、桜咲く校庭で子ども達が駆ける。今日は卒業式。大きな造花を連ねてできたアーチの両端を持って、ひとりずつ子供が立つ。私は昔歌った歌を思い出している、花の色、雲の影、なつかしい、あの、思い出。確か題名は「別れの歌」。

最後に残った少女と、校門を出てしばらく歩いた。私は徒歩で、彼女は自転車で。
「じゃあ、元気で」 
交差点で手を取って別れて、私は何度も振り向く。もうあの子と会う事はないだろう。去り難い、でもどうしようもない。文字通り「成長」をしていくひとと付き合う仕事とは、こういうものなのだ。上手に時が流れれば、当然会えなくなる。春が来れば嬉しくて切ない。
お願いこちらを向いてと心の中で呟く、何度目かに気付いて、元気よく手を振ってくれた。




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