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夜の御国で俯きて - 2002年04月04日(木) 出口なき 夜の御国で俯きて 誰をか待つや その頬に泪 ******************* ******** *** * 夕食を摂って入浴を済ませても、7時にもならない。 東京とは時の流れ方がまるで違うのだと思う、少なくとも私一人の生活の上では。 陽はとうに落ちきっているけれど、西はまだ僅かに明るい。水の上に透明水彩をいっぱいに流したような空、青碧に淡い黄が滲んでいる。少し夜が濃くなったところに最初の星。 3階の弟の部屋、はるか遠くまで見渡す事ができる窓を開けて、火照った身体に夜風を受ける。冷たくて気持ちいい。風に乗ってどこかから猫の鳴き声。部屋の暗さに目が慣れるにつれて空に星が増えていく、この時間がとても楽しくて幸せだと思う。淡くオリオン座を見つけて私はひっそり喜ぶ、誰に告げるわけでもなく、ひとりきりで幼稚な歓喜に浸る夕間暮れ。 -
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