夕暮塔...夕暮

 

 

なだらかな - 2002年05月07日(火)

なだらかな胸の野原を灼き尽くす おさないあなたの恋は本物




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珍しい人から着信。年末に久方ぶりの恋愛が始まってからは、すっかりかかってこなくなっていたのに。
「幸せなお話があるそうで…」
私は含みを過剰に滲ませて笑ってみせる。もちろん故意に。彼はわざとらしく電話を切りたがるが、いつも通りの建て前だけのやりとりだ。誰から聞いたの、と繰り返し尋ねる、これもいつもと同じ。
「これはまだ仲間内には誰にも言ってないから、絶対に言ったらダメだよ…誰かにばれたら、君が言ったってわかっちゃうからね」



見つけた、と彼は重い言葉で言った。くっきりと発音されたその意味を、私は静かに反芻する。




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