夕暮塔...夕暮

 

 

花くちなしの - 2002年06月07日(金)

夕闇に 花くちなしの白き顔 差し向け囁く「夏は来たりぬ」




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見下ろす校庭は夏に満ちて、正午過ぎ、土がまばゆく光を反射する上を帽子を被った子供達が駆け抜ける。「人が信用できない」とくっきりとした発音で少女が言う、その表情にいつものふざけた調子がないので、私は笑わずにじっと耳を傾ける。この一見底抜けに明るく、傷つく事から程遠そうに見える子が、奥に何を抱えているのかが、最近ようやく少しずつ見えてきたように思う。
一度帰宅した後、日が落ちて涼しくなったのを見計らい買い物に出た。西の空はまだ少し明るい、ほんのりと霞んで、オールドローズの花弁を光に透かしたような色をしている。


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