絶えることなき命
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私が学園祭の実行委員であることは先日お話したのですが、今日、その集まりがありました。 そして、今日私は初めて後輩が入っていたことを知ったわけです。いや、友人も彼らを最初に見たときは「どちらさん?」とか聞いてましたが(笑)。 色々とやることが山積みであるにもかかわらずなかなか進まない今日この頃、本日のメインの仕事が終わって暇になった私たちは、別の仕事に取り掛かりました。 ポスカで色塗り。 断っておくが、ここは美術部ではない。 禁煙などの張り紙の白抜き文字を赤色で塗っていくのです。 黙々と色塗りに精を出していた私達ですが、ふとその後輩君が言いました。
後輩「僕、そろそろ帰らなければならないので、この残った分何枚かは家でやらせてもらいます」 その他全員「え!?」
何かの企画書を自宅へ持ち帰って構想するとか言うならわかるが、いや、アナタ、別に一人一人のノルマが決まっているわけでもない色塗りをわざわざ家に持って帰ってやってくる必要はないぞ? しかし使命感に燃える若き魂の炎は少々の水では消えない。
後輩「いえ、早く帰らせてもらうのですからこれぐらいのことはやらせて下さい」
ああ、そんなにやりたいのなら止めはしないが。 高校のときから運動部にも所属している彼、さすが体育会系である。 上下関係をきちんと把握しているというかなんと言うか。 よっぽど厳しかったのか、君の部活は。
後輩「では、お先に失礼します。また月曜日に来させてもらいます」
過去の先輩方は彼を礼儀正しく躾けていたようである。
さて、私たちが帰る頃になって部屋の片づけをしていた時、彼がいる間にこなした色塗りの成果を発見した。
友人「…あいつ、不器用だよな」
果たしてそこには薄めすぎたポスカを震える手で塗ったような「禁煙」の文字。 ラインをはみ出さずに塗れとは言わない。美術品じゃあるまいし、そこまで神経質になる必要はない。 遠目で見て文字が分かればいいのだ。 だだ彼の場合、アルコール中毒者のように文字が震えている。 そして、悲しいほど努力が滲み出ていることがまた涙を誘う。
ん? 確か奴は残りを家でやって来るとか言って持って帰って行かなかったか? それにもやはり涙ぐましい努力の跡が伺えるのだろうか。 今から楽しみでならない。
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