今日はこんな感じ?
今日、考えたこと。そして読書の記録など。

2001年09月09日(日) リセット……奇跡の「時間」

昨日頼んだ本が、bk1から届く。ホント、TODAY便って感動的だ。それにしても、今回、荷物が大きかった。サイズが大きい本が多かったからね。ダンナのハードカバー(シドニィ・シェルダンの新刊だ。私は読まない。趣味じゃないのね。「ゲームの達人」しか読んでない。それに、超訳っていい噂聞かないし。最近そうでもないのかな?)2冊、金子みすずの詩集と詩集絵本が1冊ずつ、後は「魔界都市ブルース 孤影の章」菊地秀行、「封殺鬼 炎華の断章」霜島ケイ。
魔界都市ブルースは3冊くらいが未読になってる。読み出せば早いんだけどね。長いシリーズって、読んでないから続刊は又にしよう、なんて思ったら最後、買い止まってるうちにガンガン進んじゃって、後悔するのよね。私の場合、それは「グインサーガ」という現実になってる。いやー、イシュトヴァーンの国盗りのあたりが性に合わなくって。きっと、グインやレムスならガンガン読んだんだろうけど。今となっては、よほど覚悟を決めないと読めそうにない。完結してからでもいいかなあ?

9日の日記のくせに、今はすでに11日未明でね、その空白の間に「リセット」北村薫、を読み終わりました。ホントなら明日の日記に書くべきかもしれない。でも、取り敢えず、とっとと感想を書いておきたいので、1日繰り上げ、ご容赦。

どこが「時間」かなあ、と読み進めた。戦争に進んで行く時代、そして戦時中の閉ざされた世界に少女時代を過ごす主人公に気持ちを重ねながら、自分では彼女のように感じられないだろうと思うことがいくつもあった。そう、私がそういう時代に生きていたら、もっと「優等生的」であったろうという自覚があるからだ。上からの通達に従順で、疑問を持たず、「お国のために」邁進したろう。もちろん、命の危機に恐怖しながら、だろうが。
やはり、冷静な思考や判断は、多くの場合、教育の賜だろうと思う。教育、というのは学校の学習に限らず、親や兄弟の薫陶かもしれないし、あらゆるメディアの情報かもしれない。とにかく、外からの刺激だ。それが身の内の「考える力」が、どんな方向に伸びるのか、決めるのだと思う。どのくらい伸びるのかも。それは子供の内が望ましいと思うのは、大人になってしまうと思考のレールが完成してしまい、それを壊すのも再構築するのにも、えらく時間と労力が必要になるだろうからだ。
そんなことも考えつつ、主人公・真澄をたどった。幼い恋が空襲に引き裂かれたところは、本当に切なく、その後いきなり語り手が変わったので、「真澄はどうしたかな?」と気になって仕方がなかった。彼を思い出にすることが出来たのかな、と。そして、新たな語り手・和彦の思い出の中に30歳を過ぎた真澄の姿を見つけて、ああ繋がった、と単純に喜んだ。初恋の人、だったのだ、という。その「初恋」の意味が分かるのは和彦編の終盤で、そこに「時間」はあった。それが分かったとき、涙が出た。少女趣味かもしれないけど、「良かったね、まあちゃん」って感じ。その後の展開にも胸が詰まったけど、最後にもうひとつ「時間」があって、ほっとした気持ちで読了できた。

大丈夫かな?ネタバレ。


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