『人生、一度きりよ』
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酷い夢を見た。
スーパーマーケットでイトコたちと買い物をしていたら、 屋上でひとりの男が騒ぎ出した、という情報が伝わってきた。
父と母、叔父たちが様子を見に行った。 鍵をかけてじっとしていろ、と言い残して。
やたらに多い扉に、手分けして鍵をかける。 なかなか、かけ終わらない まだ、半分ほど残っている。
しばらくしても両親たちは戻ってこない。 嫌な予感がして、年下のイトコに電話をかけるように指示する。
だれも出ないよ。
その瞬間、鍵をかけようとしていた扉から、 殺気立った男が顔をのぞかせた。
叫ぶように聞く。 親たちに、なにかしたのか?
歌うように男が答える。 なにか? ああ、したとも。
とっさに、自分が手にしていた鍵で、 男の両目を、正確に、えぐりだす。
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そこで、目が覚めた。 のどがカラカラに乾いていた。
親が殺された(であろう)ことよりも、 自分が男の両目を、躊躇なく、 えぐりだせることにショックを受けた。
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