ア イ デ ン テ ィ テ ィ 。   by胡桃。
2005年07月08日(金)  笑顔。
信号待ちの交差点。ミラー越しに見えたのは。
後ろに止まってた軽トラックの老夫婦。

運転しているのはおじいちゃん。
助手席に乗っているのはおばあちゃん。

2人は。何かを話しながら。本当に楽しそうに笑っていて。
穏やかで淡い。素敵過ぎるほどの笑顔だった。
顔に刻まれた『皺』という年輪が。その笑顔をいっそう引き立てていたんだ。

きっと。必要として。必要とされているんだろうな。そんな風に思った。
その光景に胸が詰まったら。バカみたいにちょっとだけ視界がぼやけた。

この土地に来てから。もうじき一年を迎える。
何も進歩がなかったわけじゃない。
近道を覚えた。面接も受けた。知り合いもできた。
千キャベツを上手に刻めるようになった。
ホワイトソースが作れるようになった。
バナナマフィンが作れるようになった。
お弁当を作り続けた。
私のことを『奥さん』ではなく。
ちゃんと名前で読んでくれる旦那のお友達ができた。

ひたすら堕ちて。もうダメだと思っても。
ダメだったことは今までなかった。ちゃんと次の日には笑顔に戻った。
自分を『下らなくない』と思える事柄を。一つ一つ頭に浮かべて。

結局私のできることは。
体壊しても。それでも仕事を頑張る旦那を。
見守って。居心地の良い環境を作ってあげることなんだと。多分。

また違った土地で0から始める日が来ても。
少しでも大丈夫なように。
今は。自分が少しでもできることを。コツコツと。一つずつ。

最近は。英語の勉強始めたよ。頑張ってみる。
やっぱり私。これから先も。ずっと。あの人のそばにいたいもん。
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