さー息子よ、 今日はプレ幼稚園だ。
  しかーし、三十路とはいえ母親歴はわずか2年と8ヶ月の私。 幼稚園に保護者として行く日が来るなんて・・と、 多少こっぱずかしく思いながら、 これも母の勤めよのーと、覚悟を決めて車を降りました。
  で、園舎に入ると、まーやっぱり幼稚園でございます。 何もかもちーさくて、階段の段差も低くって、 すっかりガリバー気分です。
  講堂に入ると園長先生(女性、四十代)が挨拶をはじめ、 「わたしがえんちょうせんせいでーす」と言う。 すると息子、「えんちょうせんせい?」 私が「そーよ、えんちょうせんせいだよ」と答えると、 息子「えんちょーせんせー えっ!」(NHKおかあさんといっしょの体操の歌)と踊り出す。
  おいおい、やめてくれよ・・・定番過ぎるよ・・・
  ひととーり話があった後、体操などで場が盛り上がり、 各教室に別れておやつの時間となる。 ここで息子は愛するプリンと遭遇し、すっかりおじゃると化す。 それからジュースの種類を問われ、 なにげにナイスな発音で「Apple!」と答え、先生から驚かれる。 (ここで母の鼻はひそかにカラス天狗になる)
  最後に園の説明などを受けて全てはとどこおりなく終了し、 気分良く帰ろうとしたら、いきなり息子が暴れ出した。 園庭にあったすべりだいを指さして、 「すべびばびすべるぅぅぅぅぅぅっっっっっっっっ!!」と言い出したのだ。 しかし、はやいとこ車を動かさないことには、 後ろに止めてある人の車も出せないのだ。 ここは息子の要求を無視してとっとと帰らなければっっ!!
  「こっ、公園のすべりだいにいこうよっっ」 「いやもーんっっ!!このすべびばびーーっっ!!」
  泣きじゃくる子供を強引に車に引きずり込んでジュニアシートに縛り付け、 急いで車を出す私の手際は、誘拐犯に師匠とよばれるほどかもしれないと、 自分で自分を褒めたりなんかしながら、幼稚園を後にした。
  いやはや、すべりだい見つけられたのはマズかった。 次はもっと早く来て車を後ろに止めておこうと思います。ええ。
 
 
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