Dynamite徒然草
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2002年07月23日(火) 女と子宮

昨日の友人の言葉が今日は頭に渦巻いてる。

「子宮をとる手術をすすめられてる」

四十代半ばになるその友達は独身で、
ずっと一つの会社に勤め続けている。ごく普通の事務職で。

二十代の頃の写真はアイドルみたいにやたらと可愛くて、
今でも小柄でそんな歳には見えない。
Friendlyな性格も楽しい。

だけど決定的な出会いがなくて、
単にこれまで独身を続けてきただけ。

それが数年前に小さなこぶし大の子宮筋腫がみつかり、
年々それが大きくなり、今では新生児の頭ほどの大きさになってしまったという。

「卵巣は残しますからホルモン異常は気にしなくていいと思います」と医師に言われたそうだ。子宮は子供を育むためだけの臓器だから、出産の予定がないのなら摘出しても身体的問題はない、と。

そして今、彼女は悩んでいる。
摘出してしまうか、三ヶ月おきに定期検診を受けて筋腫の状態をチェックするか。

私は体のことを考えると、
早期に摘出したほうがリスクは少ないかもと考えた。
だけど、手術がどうしても不安なら経過観察でもいいかもしれないとも思った。

そして彼女は私の子供を見て笑って言った。
「別に結婚する予定も何もこの先あるわけじゃないけど、やっぱり産めない体になってしまうと、子供がかわいいって思うし欲しかったなとも思うよね」と。

彼女が今後、どちらの道を選ぶのかは彼女の考えの先にある結論。
だけど、女としての切なさは今、共有できるつもり。

滅私奉公で会社に尽くしてきた彼女。
線路からはずれるのを不安に思う彼女。
結婚したくなかったわけじゃない。ただ、思う人と結ばれなかっただけ。
その後に結婚まで考えられるような出会いがなかった、だけ。

「いいなぁ〜○○ちゃんは〜」と笑っていつも私に言う彼女は、
あのアイドル顔の頃の面影残して今でも十分かわいいんだけど、
私と違って人当たりもよくて万人に好かれる人なんだけど。

子宮を失うかもしれない現実と相対して、
彼女の口から「子供」という言葉がでてきたのだろうか。


子宮。
この臓器は、
女の究極の尊厳なのかもしれない。


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