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深い深い海の底に、太陽を沈めた。 愛おしくて、愛おしくて、たまらなかったはずの太陽。
−−−あたしが沈めたんだ。
そう心の中で実感する度に、じわじわと、言い様の無い恍惚感に似たものが、背中を這い上がってくる。
楽しくて、額縁にでも飾っておきたいくらいきらびやかな美しい想い出も、暗くて反吐が出るような忌々しい過去も、全部照らし出す太陽の光は、今のあたしにとって、傷口が爛れてしまうぐらいに痛い。
だから、沈めた。 深い深い海の底で、その光線が静かにしているように、あたしが沈めたのだ。
今のあたしには、全てを風景に溶かし込んでくれるような、月の光が心地イイ。全てを、夜の深い藍色に隠して溶かし込んでくれる、乳白色の冷ややかで艶やかな光。
馬鹿みたいに声を殺してボロボロに泣いてたって、誰にも見つからないように、誰にも気付かれないように、無音の風景に隠してくれるんだ。
あたしが、独りだって事を教えてくれる。 嘘の無い世界が、今は酷く心地イイ。
世界を享受できずにいながら、今ものうのうと生きてるあたしの矛盾も、情けなさも、全部隠していながら、なお教えてくれる。
ただただ、未だ開かれない円環の中を彷徨うあたしには、隅々まで照らし出される事が、何よりもの恐怖なのだ。 何が隠れているのかも分からない自分の内側を晒される事が、今は何よりも恐ろしい。
だから、人を信じる事が出来ずに居て、人間を面白いと思っても人類は好まず、世界を享受できずにいる。
ただの馬鹿だ。
そう言われてしまえば、其れまで。
どうしてそうなってしまったの。
そう憐れまれてしまえば、鼻で笑い飛ばして拒絶するだけだ。
どうしてこうなってしまったかなんて、知るもんか。 全ては、ブラックボックスの中。 深海に沈めた太陽を、再び浮かび上がらせない限り、誰にも、あたしですら、知り得る事なんて出来ない筈なんだ。
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訳ワカメ文。 最近本読んでねえなあ。 映画見たいナ。映画。
おやっすー(=_=)。oO
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