�蠧�記
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あれは、中学を卒業して、そうだ、T君が新車を持っていたわけだから、大学生くらいだろうか? よく覚えていないのだが、ダブルデートのようだった。 T君と、あのぽっちゃりした彼のお顔はよく覚えているのに、お名前が出て来ない。 仮にA君として、私はA君を嫌いではなかった。 私は細い青年より肥り気味の方が安心感があった。 ところが、私は、全く何の前触れもなく、戻してしまったのだ、T君の新車に。 気持ち悪いという自覚があれば、吐きそうなのでビニール袋が欲しいとか言えたのだが、全く吐きそうになっていることに気が付かず、突然おえっときた。 あれには参って、謝罪の言葉も出て来なかった。 もう二度と誘わねえよ、とT君は言った。 そういうわけだから、おそらく私は、かなりのコミュ障だろうと思う。 しかし、普通より気がつく面もある。 しかし私は礼儀に欠けるところがあるらしい。 時折夫が、失礼な、と怒るが、私には理解できない。 どこがどう失礼なのかわからないのだ。
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