�蠧�記
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お母さん、お父さんみたいな人って、どこにも居ないね。
お父さんもお母さんも幸せだったって言ってたね。 あの袋田の滝の頃のまま、あなた方と歳取れなかったかな。
でもあの頃あたしたち、煙草すってたね。 今はすってないんだけどね。咳が止まらないの。 首相はスモーカーみたいなの。 何がいいのかな。 私が三つの頃、お母さん喫煙していなかったよね。 私も、目にしてもあまり幸せになれないようなものを まだそんなに知らなかった。目の怖い女の子や男の子見たんですけどね。 お母さんも、あまり話さなかったけど、怖いことあったでしょう? お母さん、私はお母さんのようにはなれないかも。 あんまりかわらないか? お母さんはお母さん、私は私。されど仲良く。 ね、お母さん、一緒に旅がしたかったね。 でもお母さんは、計画して法事のお膳美味しそうな、そういうの好きだったのね。 お母さんのお父さんの法事をした時のような。 でも、それは、お母さんの1番上のお姉さんのところができたのね。 でも、お母さん、嫁ぎ先のお姉さんたちやおばあちゃん、大事にした? 多分心って本音は出ちゃうのね。その人の人生に。 大事にしたと思うんだけど、やっぱりお母さんは、実家の弟ちゃんたちの筋がとても 大事だったのね。ていうか、きれいなお姉さん伯母さんでありたかったのね。 お母さんは、出たとこ勝負のようなお父さんとの旅に疲れてた。 お母さんはきれいだと思われたかったよね? 甥っ子の結婚式の時が花のようだった。私のことは諦めてたんでしょう? 私はお父さんに似てるみたい。ぱっとしない私とお父さん。 いやいや私はお父さんみたいに優秀じゃなかったけど、お父さんはぱっとしなかったから 特攻にも行かずにすんだのかしらね? 私は甥っ子の結婚式ぱっとしなかった。大好きだったよ、お母さん。 世の中には偉い人、素敵な家族、時々お見かけするけど、私は駄目だったんだよね。 ボーボワール女史の娘時代にこんな言葉があるの。カトリックのご家庭のお嬢さんでね。 ママ、どんなうちにも一人くらい屑がいるものよ、屑はこの私よ、ってね。 その言葉が忘れられなかった。ネット検索で確認しなくてもね。 でも私たちはカトリックのご家庭には手が届かなかったのよね。 パイプオルガンのコンサートの日曜日、訪れることができたんですけどね。 洗礼は受けられなかった。お母さん、どうすれば良かったのかしら? これからどうすればいいのかしら? お母さん、夢枕に立ってくれないの? 私はね、離婚はしたくなかったのよ。離婚したくてした女性ってかっこいいわね。後悔のない人生。 でも私はお母さんのように、離婚などせずにお父さんに尽くして逝きたかった。 お母さんが私を産む時も病に倒れて逝く時もお父さんはそばについていてくれたでしょう? 羨ましいよ。私は一人。情けないものよ。貴女のお母さんも気の毒だったのよ。お父さんも。 貴女に妻に先立たれたら、婿だった父さんは貴女のお母さんに顔向けできなくなったじゃないの。 死んでる場合じゃなかったのよ貴女。 私じゃない。貴女が薄情な人。お父さんも薄情。娘は嫁になんかやらない、って言うパパさんあるのに。 聞いてないよね。どこに行ったんだか。
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