‖ ひびひより日記 ‖
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2008年11月07日(金) サド侯爵夫人

篠井さんの芝居って、「トーチソングトリロジー」「欲望という名の電車」「ウドンゲ」で、4回めでした。

男性が女性役を演じるスタイルっていうのを見るのは、慣れている私ですが、
「サド侯爵夫人」は、オールメールで、見るほうが、安心して見れる戯曲だなと思う。
前に新妻さんの「サド侯爵夫人」をTVで見たのだけど(しかし、途中で録画が切れていたので、3幕の終わりが…)
あれは、箱と照明と独特の衣装があったから、なんとなく、違う世界のものとして、見れたのかも知れない。

ぶちゃけ、お話は、かなりえぐい話なんだけど、なんだか、すっごく正当性な話に入れ替わされるような(笑)
で、一番、世間体を気にする母のモントルイユ夫人だったりするけど、この母もただものでは、ありませんから。
衣装も母親が一番豪華だし。(加納幸和)
シンプルで、一番ステキなのは、ルネ(篠井英介)かな。
妹のアンヌ(小林高鹿)は、なんか、高鹿さんにしては、キャラが可愛すぎる衣装で…とくに2幕は、なんだか似合っていなくて。
反対に3幕のスリムな裾のドレスにピンヒールの靴が歩きにくそうでしたが(だから、スッテキもっているのかどうか?)
そのドレスが一番似合っていました。
で、すっごい迫力なのは、サンフォン伯爵夫人(天宮良)
ボディもすごかったけど、ちょっと太りすぎかも。
シミアーヌ男爵夫人(石井正則)が、敬虔な感じで、しとやかなモスグリーンのドレスでした。
モントルイユ夫人の家政婦というシャルロット(山本芳樹)は、もとはサンフォン伯爵夫人の使用人だったんですが、
ひとり、暗い…衣装もメイド服なんだけど、胸元が空きすぎていて、胸も作っていなかったようで、
なんか、いまいち…。顔の色も夫人達が白い顔なせいか、ひとりだけ、黒かったような(原作もそういう設定なのかな)
まあ、あんなにメイクしている山本さんを見るのもはじめてでしたが。
あっ、でも3幕の黒の喪服ドレスは、とってもきれいでした。
歩き方がすっごい不安定だったけど、カテコの出入りは、可愛かったです。
芝居中は、終始、寡黙なメイドだったから、かなりのギャップです。

衣装に話が飛んでしまいましたが、キャスト的には、それぞれ、はまっていました。
やっぱり、ルネ対母親の台詞の応酬がみものでしたが。
2幕は、引き込まれるようにふたりの会話に入り込んでしまいます。
そして、音楽なしで、幕のおわりにライトが当たって、動きの型をみせて終わるっていうのが、
とってもステキでした(ある意味、歌舞伎っぽいかな)
音もそのときにかかる音と、下手側の入り口で、出入りするときにかかる
カーテンのシャッっという音(これも歌舞伎の花道の出入り口みたい)だけというシンプルさ。
セットも衣装が時代を現すようすをちゃんと見せてくれているので、シンプルな壁とちょっと斜めになっている床だけという。

そんなセットなので、本当に交わされる会話を聞いている状態でした。

パンフにもかいてあったけど、三島由紀夫の戯曲は、音楽だそうで、
意味ある台詞が3割で7割りが、その台詞を引き出すための形容詞みたいだそうです。
だから、人によっては、眠りにいざなうのかもしれないですね(笑)
その点ちょっと心配だったけど、大丈夫でした。

なんだか、わからないけど、サド侯爵の世界にかってに引き込まれていたような気がします。
サド侯爵にいつのまにか惹かれ、溺れる人たちのように。

だけど、加納さんのモントルイユ夫人の台詞で笑いが時々起こるのが、ちょっと新鮮だったし、息抜きができたような気がします。
ドレスをきていてもどこか、おばさんっぽかったりしてたけどね。

で、その母親の娘というルネのくもりのない淑女なふるまいの篠井さん。
後姿にその抱え込んでいる胸のうちがみえたりして…、
動きもさえも本当は、凝視していなくちゃ、いけないみたいです。
妹のアンヌの奔放な性格もすごいけどね。姉妹で、バトルしていても
気にしてないふうを装うルネ。

「サド侯爵夫人」は、上手く台詞を交わせる役者で、みる戯曲なんだなとつくづく思う。
見た目のきれいな若い役者だけでは、奥深いその世界を観客にみせてくれることは、できないものだろうなと思われる。

もう一度、じっくりと見てみたかったけど、大阪は、1ステでしたからね。
残念。


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