学校帰り、電車の席に座ってぼんやりしていると隣の車両から一匹の蛇がスーっとやって来て私の前で止まる。蛇は私としばらく見詰め合ったのちぴゃっ、と跳ねてこちらに飛び掛かってくるのでわぁっと思って右手を目の前にかざすと人差し指が蛇の額に触れる。するとその蛇の体は私の触れた部分から尾にかけてばあっと縦一直線に裂け真っ赤な中身をちらりとのぞかせながらぱたぱたっ、と私の足元に落ちる。(完)