はなこせんせいの日記
教育の現場の様子と気付いたことを折々の出来事に載せて綴ります。

2004年04月15日(木) 環境

 門前の小僧習わぬ経を読む
とか
 孟母三遷
とか、環境が幼児の育ちにかかわることは昔からいわれてきたのですが、
入園してくる子供達をみると、まさに!と感じます。
 同じような地域で同じだけ年を重ねてきた子供達。本当に十人十色です。十家族十色とでもいいますか。
 家庭という枠を飛び出してきた子供達は、始めはそのことに気付きません。自分の家庭の色が、その子のすべてです。
 ところがどっこい、それぞれ同じように「この色が一番よ!」とばかりに主張しあうのですから、混乱します。
 おかしい・・・こんなはずじゃない・・・
今までは家庭での言葉にそって生活していましたので、こんな場面に出会っても誰かが「大丈夫よ、心配しないで」とエールを送ってくれ、守ってくれました。
 でも、今は自分で受けとめるのです。
 そんな違いに気づくとはじめは「幼稚園にいきたくない!」と始まります。
違いを受け入れることは簡単なことではありませんので、元の安心で変化のない生活に帰ろうとします。
 ところが、生活していくうちに、「自分の家庭よりも楽しいもの、不思議なものがあるぞ」と違いを楽しめるようになってくればしめたものです。
 それが、「社会」の一歩でもあります。
 もし、こどもに大きなショックを与えたくなければ、小さいうちから、いろんな場所に出かけていくことをお勧めします。
 他の場所へ行くと、自分と違う子供がいて、自分の思い通りにならない場面に遭遇するでしょう。でも、かたわらに保護者の方がいて「こんな世界もあるんだよ」といっしょに感じてあげることができたら、社会にでる時には、違いを楽しめるようになっていることと思います。
 いま、幼稚園では違いに気付いて戸惑ったり、迷ったりしている新入園児の声が聞こえます。先生たちはかたわらに寄り添って、子供達が違いを楽しめるようになるまで、見守っています。


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