
「早く車買い換えたい。」
ずっと思ってたの。
でも、お父さんがなかなか首を立てに振らない。
「回転数が上がらない。」
「車内が水浸しになる。」
「オイルが漏れてる」
あぁだこぅだと文句を付けてみたが
ことごとく直す父ちゃん。
これは思い切ってぶつけるべきか。
そんな風に思ってたんだが
昨日、本当にやってしまった。
コンビニから出る時にグシャッ
何だか視界に入らないポストがあった。
まぁ、世間では「見てなかっただけ。」と言うらしいが…。
車は見事に凹んで
ハッチバックのドアは閉まらなくなった。
最初はショックだったが
段々、「車買い替えのチャンスじゃん。」って思いだした。
フフフフフ。
父ちゃん。
今度ばかしは買い替えでしょう。
そう思いながら申し訳なさそうな顔をして謝った。
すると父ちゃんは
「とりあえずドアが閉まればいいだろ。」
そう言ってドアを閉まるようにしやがった。してくれた。
結局父ちゃんの仕事が落ち着く秋の終わりまで
車の買い替えは延期された。
それまでこの凹んだ車に乗るのですね、私。
娘がヒッキーになってもいいのですか?、父。
それよりも・・・
父様
夏には忙しいアイス屋からの返事を待ち続け
秋には農機関係の仕事の為忙しい父からの
車買い替えの同意を待ち続ける。
一体冬には何を待っているんだ、私。
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