2004年04月30日(金) |
お花屋さん×カウンターの王子様。 |
「俺、別に良いんですよ、あんたとなら」
あんたとなら---少しくらい無理をしても。
俺からしてみれば、こんなこと言わせるな、と思わないわけでもない。 あんたはそんなことを承知で俺に言わせてるのかもしれないけれど。
「なぁ、宮田。俺といる時ちょっと無理してる?」 なんて、そんな声で、顔で言われたら。 「してますよ」 そういった瞬間に、木村さんの顔が一層柔らかくなるのを見て。 やはり、知ってて言わせてやがる、と確信する。
俺よりも幾分ごつい手が、髪を梳くのを感じながら、目を閉じる。 「嬉しい」 耳元で囁かれることに、少しも慣れない自分はちょっとおかしいのか。 何度抱きしめあっても、何度キスをしても。 シーツの中で肌を重ねても。 「嬉しい」 「何度も…」 言うな、というところで、唇を塞がれ。 甘んじて受け入れる自分は……どんな顔をしているのか。 だから、こんなことまで言ってしまうんだ、俺は。
「無理をしてまで続けたいと思うのは、あんたのことだけです」
あはは。 あたしのイメージする木宮はこんな感じだ。 まぁ、宮田さんにとって、ボクシングは無理して続けるものではなくて、無理してでもとか思わない・思えないくらいのものだと。 つまりは、木村の存在は、全然ボクシングに匹敵していないという(笑)。
痛い話になるとね。 だって、ボクサーじゃない宮田なんて宮田じゃないし。 それは木村も同じで。 前提として、当然なんです、ボクシングは。 それをまず受け入れたところで(受け入れるなんて意識さえしてないと思う)、2人の関係は始まっているはずなので。 だからどっかの誰かさんみたく「サッカーもコウジ(犬ではなく)も」とか言わないんです。 そんな葛藤はいりません。
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