土曜日は予定通り休日出勤で兵庫県は姫路市まで赴き打ち合わせ。終了後はそのまま足を伸ばして大阪まで遊びに行こうかな、とも思ったのですが面倒になったので黙って特急スーパーはくとに乗って爆睡しながら帰ってきました。またいずれ姫路には行くこともありそうなので、その時は大阪や奈良に行ってみようかな。 んで、今日、日曜日。鳥取での恐らく初めての本格的な休日であります。 鳥取に着任してから約二週間、観光だとかスーパー温泉だとか本屋とかCDショップとか最低限の娯楽に関してはこの街にはまず期待が出来ない、という判断を下したワタクシはこの休日はビデオ三昧と決め込むことにしました。スナック菓子と「伊右衛門」(サントリーのお茶ね)を買い込んで準備完了。 先日、ここ「のづ随想録」上にて読者の皆様からオススメビデオを募集いたしましたが、案の定ほぼ“梨の礫”。いいです、もう。慣れてますから。そんな寂しい状況の中で真っ先にリアクションをよこしてくれたのが大学時代のかわいい後輩であるM。俺と同じように三谷幸喜ファンという彼女が『もしかしたら,ご覧になったことがあるかもしれませんが』と一応先輩の俺に敬語でオススメしてくれたのは邦画の隠れた名作『12人の優しい日本人』。 勿論、何度も繰り返し見た作品ではありますが、折角オススメしてくれたことでもあるし、ここ1年くらい観ていなかったので久しぶりに観てみることにしました。ありがとうね、Mよ。 三谷幸喜がかなりメジャーになったことで、彼が書いたこの作品も改めて脚光を浴びることとなったのですが、この映画はもともと彼が主催した劇団「東京サンシャインボーイズ」の舞台作品。これは自慢なんですけど、まだまだ三谷幸喜が今ほど有名でない90年代前半、ワタクシはパルコ劇場でこの作品の舞台を観ているのですね。劇場の中央に舞台があって、それをぐるりと観客が囲む形で観賞するこの作品はかなり衝撃的に面白かったのを今でもしっかり覚えています。
日本に『陪審員制度』があったら、という設定がこの作品の土台です。若い女性が復縁を迫る別れた夫を口論の末に道路に突き飛ばし、夫はトラックにひかれて死亡。こんな事件を、典型的な“日本人”である老若男女の12人が有罪・無罪を判断します。場面はこの話し合いが行われる粗末な会議室だけ。これが三谷幸喜のお得意であるシチュエーションコメディの真骨頂です。 「若くてきれい」「悪いことをするような人には見えない」「将来がある」などの理由(!)で11人が無罪を主張。一方でたった一人、有罪を主張するサラリーマン。彼が熱く語る中で徐々に他の陪審員達の意見が変わっていきます。正当防衛は認められるのか。犯人に殺意はあったのか。陪審員達の意見は有罪に傾いていきますが……。 「犯人の女性は、追いかけてきた夫にこう叫んでいるんです。『死んじゃえーっ!』」 「もしかしたら、彼女はへとへとになっている夫に“塩を送った”というか……」 「倒れこんだ夫に飲み物を差し出した――」 「『ジンジャエール!』」 三谷幸喜らしい言葉あそびです。
ええ、ひきつづきオススメビデオをしつこく募集しますので、いいからリアクションしてこいよ(あ、語気が荒くなってしまいました)。
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