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| 即席珈琲エディクション/Instant coffee addiction...嶋紗雪 |
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2003年01月20日(月)
暗二郎
芽衣子を迎えに行ってきた。 ガレージに車を止めて降りようとしたら、「降りちゃだめ!」と芽衣子が叫んだ。 「この車には爆弾が仕掛けられているみたいだわ・・・」 突然そんなことを言い出す。 「揺らしちゃダメ。そっとゆっくりと」 慎重に車から降り、車体を調べる。 が、整備も出来ないド素人なのでどれが爆弾なのかさっぱりだ。 とにかく、エンジンを冷やすと爆発するというので、助けを求めるためもう一度車に乗り込む。 近江八幡市に向かって田んぼ道を走っていたら、後ろに黒のセダンが尾行てきているのに気付いた。 それも2台。 振り払おうと、右へ左へハンドルを切る。激しいカーチェイス。 もうダメ、追いつかれる――!って時、突然、後方で爆発音。 白煙が巻き起こりセダンが飲み込まれる。 と、セダンを飛び越すように、見えない煙の中から一台の車が飛び出してきた。 飛び出してきた車は、私の車の前に着地し、急ハンドルを切って左の田んぼに突っ込んだ。 パジェロミニのような車は車体を半分田んぼに沈ませながらこちらを向いていた。 その車のナンバープレートに目をやると、普通、都道府県名が書いてあるはずの場所に「○○○暗二郎」と書いてあった。 「暗二郎さんだ!!」 助手席に座っていた芽衣子が叫ぶ。 これで助かる。ほっと、息をついた。
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