バスは止まらず
この身に鞄ひとつ
涙の行方は誰も知らない
孤独は夕暮れにとけて
道
愛が孤独の行き着く先なら
人は何を糧に生きるべきか
コバルトブルーの空見上げても
答え見つからずに彷徨って
震える心とともに歩む
天使の運命
天使は
その役割を終えて
帰っていく
静寂と永遠の
棲むところへ
堕落
あなたが
その深い闇の淵に
堕ちるというのなら
僕も堕ちよう
躊躇わず
すべては
法則により生かされ
法則により殺されるのだから
もしも
僕達二人が
闇にのまれても
運命が
それを定めるのなら
すべて受けよう
あなたの痛みとともに
小さきことに奪われる瞳
とうとう
あなたへの道もつながらなかった
また独り
旅をするだけ
そう
かわりはしない
なにひとつ
路地裏にて
冷たい雨に打たれながら目覚めて
身体を起こす
ずきずきと痛む頭に眉を顰めながら
壁に寄りかかって座ると
視界のぼやけた街が見える
ああ?
そうか
俺は
口内に異物を感じて
唾を吐く
赤い唾の中に混じるのは
折れた歯だった
・・・っクショウ
いてぇ
痛みに気をとられて
何にも思い出せない
指一本動かすのも
億劫だ
それでも
胸ポケットに手を伸ばして
煙草を掴むと最後の一本だった
やっとの思いでライターを探しあてて
火をつける
ふぅ
眉を顰めながらも
煙を吐けば
痛みが和らいだような気がした
壁に頭をつけて
空を眺める
顔にあたる雨粒が
沁みつつも心地よかった
俺は・・・
ああ、酒を飲んだんだっけ・・・
それから後は思い出せない
君の幻とダンス
ふと頭の中に閃いたフレーズに苦笑いして
痛みに三度眉を顰める
短くなった煙草を
地面に押しつけて立ち上がる
俺はもう自由だ
グッバイ
やっぱり
分かりあえなかったね
違う予感がしてたんだ
言ったろう?
期待は失望のはじまりだと
もう
会うこともないだろう
元気で
時は満ちて
星すら見えぬほどの
暗い空
耳を劈く雷鳴と
喇叭の音
なんだ
まだ分からないのか
試されているのは
僕じゃない
あなただよ
終わりのない旅路の果てに
もしも 本当に
世界が終わっていくのなら
最後に
あなたの瞳の中で
終わりたい
秘め事なら密やかに
嘘ならば
最後までつきとおしてね
嘘を認めれば
あなたの罪悪感は薄れるけれど
私の傷は広がるわ
私の涙を望むなら
嘘だと言えばいい
けれど
ほんの少しでも
私への愛が残っているのなら
その嘘は
あなたの心の中に
同じ罪を抱えて
あなたとの溝は
とうとう埋まらなかった
いや 埋める努力を
してこなかったのかもしれない
それは
あなたも同じだよね?
僕とあなたは
同じ罪を抱えている
同じ過ちを繰り返して
お互いを失うまで
それに気づかずにいるのさ
だから
人間は哀しいんだ
そうだろう?
PAIN
あきらめるのは
そんなに難しいことかな
あきらめることとは
苦痛を少なくすることだ
その痛みは堪えがたく
心を苛むものだから
あきらめてきた
すべてを
誰も彼も
傷つくことを好みはしないだろう?
取り残されて
二人で手をつないで
蔦の絡まる喫茶店を
見つめていた
重機で取り壊されていくコンクリート
欠片が落ちる音を
ただ黙って聞いていた
「世界が終わるとしたら
どんな音が聞こえると思う?」
深刻な顔で
独り言のように問いかける君
僕は何も言わずに
君の横顔見つめていた
終わらないよ
世界は終わらない