花の終わり
もしも
ゆるされるのなら
もう一度
あなたに会いたい
あなたの瞳を見て
あなたの声を聞きたい
手に
唇に触れたい
あなたを離さずに
抱きしめていたい
ゆるされるのなら
蟻地獄
月さえも眠りに沈んだ夜に
襲いくる虚無
紅い瞳が俺を見張る
どんなにあがいても
抜けられぬ孤独の螺旋よ
宵待草
このいとおしさが
苦しいの
沈みゆく太陽に
想いを告げても
あなたへは届かない
このいとおしさに
さよならを言えずに
過ぎてゆく日々は
知らん顔をして
あなたの瞳を
あなたの唇を
あなたの声を
あなたの手を
忘れることができずに
このいとおしさと
涙を抱いて
眠る
指
苦しいのは
あなたの言葉
切ないのは
あなたのくちづけ
沈丁花のかおりの中
瞳見つめることもできずに
ただ黙って
あなたの指を見ていた
心模様
瞳見つめれば
泣きだしてしまいそう
どうすることもできない想いなのに
どこへ行けばいいの?
なにを見ればいいの?
あなた以外の何が
心を潤してくれるの?
なお あなたを
一陣の風が吹いて
水面に波紋を広げる
あなたを知らずにいた頃には
もう戻れない
愛にならずに散っていった恋は
淋しげに涙を流す
あなたを想うことも
忘れることもできずに
無償の愛
僕にとって
愛することは易しい
僕の心のすべてをかけて
永劫に愛することはできる
君が望むなら
これ以上
どうすることもできない
君を
あきらめたいわけじゃない
どうすることもできないじゃないか
眩暈
あきらめればいい
簡単なことだ
今までも
たくさんのことを
あきらめてきたのだから
いまさら
失うものなどあるはずもない
そうだろう?
君になど出逢わなかった
それだけのことだ
彼方へ
このまま
君をさらってゆきたい
赦されないことだと
分かっている
理屈じゃない
魂が命じているんだ
未練
すまない
君を
忘れられそうにない
未練がましい僕を
どうか許してほしい
君の笑顔を
君の瞳を
君の声を
失いたくない
今はまだ
三日月の誘惑
終わりなき闇が
ゆっくりと私を包む
酒はますます不味く
吸殻は増えていくばかり
目覚めては
君の姿を探す
もう夢の中でしか
出逢えない
永遠など在りはしない
さよならを言えない
まだ
君が恋しいから
この想いも
いつかは終わっていくのだろう
秋の訪れと共に
望み
君の望むものなら
なんでも叶えてあげるよ
僕の愛は
残酷だから
届かぬ想い
欲しいと言って
手に入れられるものなら
とっくに手に入れている
揺れる心を抱きしめて
君の言葉を
何度も指でなぞってみる
優しさは虚しいだけ
切なさに涙零れる夜は
揺れ動く心を抱いて眠る
想いが君の元へと
行ってしまわぬように
君を
こんなにも
愛していた
独り
君の全てを受けとめる自信はある
君を愛しぬくことも
ただ君は
帰ってしまうのだろう
私を置いて
青い鳥
格子の窓辺におりたっては
美しい姿を見せてくれた君よ
囚われの我が身に
美しい囀りを聴かせてくれた君よ
陽の光も届かぬ牢の中で
君だけが私の安らぎだった
私はまだ此処から出られそうにない
足枷はますます重く
失望はさらに心を苛む
哀しみすら無限の彼方へと去っていく
さよなら
私の青い鳥
夢の終わり
夢は儚いからこそ
夢なのだ
散りゆく運命-さだめ-に
身も心も流されて
時は流れゆく
黄昏の中に佇む
私を残したまま
幾星霜
君の顔を見られるだけで
幸せだと思った
想いなど伝えられなくても
だけど今
幾つもの長い夜を越えて
君に想いを伝えよう
たとえ届かなくても
待つことには慣れている
満天の星を眺めて
欠けていく月を眺めて
沈みゆく太陽を眺めて
今までも
そうやって生きてきたのだから