記憶
遠くを見つめるあなたの瞳
氷の矢が心を貫く
こみあげる切なさに
堪えかねて
そっと
あなたの傍を離れる
心残りを
責めるつもりはない
けれど
月夜のうさぎ
空には星のカーテン
ゆらゆら揺れて
見果てぬ夢を見ている
三日月の微笑みに
心ほどけて
醒めない夢と
やわらかな夜
葉桜
愛すれば
愛するほど
哀しい
春の風が頬を撫でても
心が
泣いている
見上げれば
名も知らぬ鳥の影
空の青さも
心を満たさず
何処へいこうというのか
何処へいけるというのか
この心を抱えて
夜霧
夜霧が隠す
ふたりのくちづけ
哀しい恋の行く末を
誰も知らない