メロディの無い詩集 by MeLONSWiNG
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君の悩みが 重い歯車を動かし 重い歯車が か弱い木々をなぎ倒す
か弱い木々は 緑をちらして 緑の葉はただ 青臭く匂う
這い出た蟻と 舞い降りた鳥が
新しい森を乞う
どれだけ多くの 人たちの気持ちが この土の下に眠るだろう
どれだけ多くの 人たちの嘆きが あの海に届けられただろう
苦い涙の記憶を消して ファミリーは3人で立ったまま 足を痛めてママ 行き詰まってパパ 娘は夜に認(したた)める
恋を知らずに 幾年月のデジタルムーン 知ってることも 知らないことも 皆知ったふりで呑み込む
無防備に手を触れ きっと無防備に委ねる そんなお前が欲しい そんなお前が欲しい そんなお前がただ愛しい 月が翳れば きっと迷うことなく 水面に秘密を映すのが 別れ間際の 透けた事実
毛羽立った理論について ファミリーは黙りこくる 明日は帰らないパパ 今日は出ていったママ 娘は朝に鏡を見る
恋はこれから 光の速さで追い抜いてゆき 覚えた技も 学んだKISSも 遠く後ろにクラスメイトが点
計画のない未来 それでも甘い蜜の味 そんなお前に溶ける そんなお前に溶ける そんなお前にただ狂う 月が翳れば きっと本能で 言葉に感情をむきだす 追いかけながら 脱げた靴
夜の底へ落ちる予感と共に 脱ぎ捨てられた 風の靴
ギターを抱えて コードを覚えて これぞという人の 世界をなぞったら それで最後まで オリジナリティと思う
ああ コピーマン コピーマン 思い上がりの コピーマン
朝、目を覚ましたら 世界がぜんぶ滅んでいた 誰も生き残ってなくて 僕だけただひとり
見渡すとあたりは真っ黒焦げで 蟻の子一匹動かない
よーく考えたら怖いので とりあえずまた寝た
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