Story of love
目次|前回
こうして部屋にこもる日が始まった。
カーテンは1日中ひいたまま。
太陽は必要ない。
おなかがすいたら適当に冷蔵庫や戸棚をあさって持ち込んで、
好きなときに食べて飲む。
部屋に入ると、むあっとした臭気に包まれる。
それももうどうでもいい。
時に、自分の体臭を感じて吐き気を覚える。
でも、風呂に入るのはもっとめんどくさい。
そのへんにあったはさみで、髪をじょきじょきと切ってしまった。
脂のせいか、さらさらしていないので、
散らばることもなく、なかなかうまくいった。
自分のものであっても、髪が落ちているのは気持ち悪かったので、
まとめて燃やしてみた。
ものすごく変なにおいがしたので、さすがに閉口して、
途中でやめて台所のゴミ箱につっこんでおいた。
それを見つけた誰かが、ドアの前で大騒ぎをしているようだったが、
う る さ い。
あんたらのすることは、わたしにはまったく関係なし。
星はともだち。
夜になると気分が良くなってくる。
窓を開け、月の光をあびる。
嫌な思い出や不安が、呪文のように浮かび上がってくる。
もっともっと・・・心の闇を広げてその中にすっぽりと入り込む。
そうして夜明けとともに浅い眠りにつく。
見るのは悪夢ばかり。
目が何度もさめてしまう。
清潔?健康?おしゃれ?
そんなものになんの意味がある?
|