2003年06月19日(木) |
『海の上のピアニスト』 |
これも、ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと再演を待ち望んでいたお芝居です。 「『海の上のピアニスト』観に行くんだよ〜!」って言ったら、『なんであんなつまらないものを…』なんて言われちゃいましたが…面白いんです! あれは、映画が失敗なんだよ……。 とはいえ、去年の私も『淡々とした話で退屈』って思ってたんですけどね。
さて、それはともかく2度目の『海の上のピアニスト』でしたが、バージョンアップしてました。
稲本君はショパンっぽい音楽のクセに、容貌がシューベルトっぽくなっていたのにはついつい笑ってしまいました。
でも、去年よりもまろやかな音が聞けました。そして、音に深みも増していた。 才能というものは無尽蔵なのですね。 去年は白のスーツでしたが、今年は白のタキシード。 やはり、賞を取ると何がしか変わるのでしょうか。
しかし、その反面、市村さんは……去年より、磊落っぷりが激しかったような気がします。 公演を重ねて衣装が薄汚れてしまった…だけではないはず…。 お髭のせいだけではないはず………。(^−^;
最初、声の出がイマイチだったから、調子が悪いのかと思って心配してましたが…だんだん調子が上がっていってホッとしました。 しかし、もう昔ほどの体力はなくなってるんだよね…と思ってしまうことについてはちょっと哀しいですが。
どうしても、去年と比べてしまいがちですが、やはり、回数を重ねるごとに深みは増していくんでしょうか…あらゆる感情がより激しく押し寄せてきました。
赤ん坊のノヴェチェントを抱き上げるシーンでは、本当に手の中に子供がいるかのごとく、錯覚してしまった。透明な赤ちゃんが市村さんの手の中で動いたような…気が………(^^; 抱き上げた赤ちゃんを再び下ろすその瞬間まで、本当の子供を扱うかのような丁寧な手つきでだったんで。 そういえば、『クリスマス・キャロル』の時にも、市村さんの手の先に子供がいるかのような気がしていたっけ…。
それから、去年、ノヴェチェントが死を選んだ場面では、そうすることしかできなかったやるせなさみたいなものを感じていたんですが、今回のは…それも1つの幸せの形だったんだなぁと思えたり…演じる側も観る側も何がしか変化しながら生きていってるということなのでしょう。
ただ、難を言えばこの芝居と劇場の規模があってないのが気になって…。 もう少し、小さな劇場で濃密な時間を過ごしたかったと思うのです。 厚生年金会館が悪い劇場だとは思わないけど、通いなれ過ぎてちょっと飽きたからだとはいいたくないけど、このお芝居はもう少し規模の小さな劇場でやるべきだと思います。(当日券も結構出ていたみたいだし…) 今度はいつ観れるのか…また、楽しみにしています。
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