どうしようか。
苦しくなってきたよ。
表と裏の私と私が、 窮屈だって悲鳴をあげる。
表の私の言い分は、 屈託のない自分を演ずるのに疲れたと。
裏の私の言い分は、 奥底に眠っている自分を引き出すなと。
よって、
表と裏の私と私の統合を考え中。
但しこれには相当のパワーが必要。
統合するか。 どちらかを消し去るか。
難しい問題。 私にとっては。
ダンナが仕事から帰ってきた。
一目で何かが違うことがわかる。
「おかえりなさい。忙しかった?」 「んー。いや、そうでもない」
彼は目を伏せる。
「疲れてるの?」 「うん。ちょっとね」
彼の機嫌を損ねるようなこと、 私が何かしでかしたのだろうか。
胸に手を当ててみた。 どれここれも些細すぎた。
きっと原因は私じゃない。
「どうかした?」 「……」
あまり見たことがない表情の類で、 彼はポツリと言った。
「長谷川さんが、退院したじゃん?」
長谷川さんとは、 彼が学生時代にやっていたバイト先のオーナーで、
彼が最も尊敬をし慕っている大人だ。
「俺はさ。 てっきりさ。 良くなって退院したのかと思ってたんだけど、 もう施しようがなくて退院したんだって。 会社で店長にそれを聞いて、泣いちゃったよ」
こんな時、 私は非力だ。
なんて言葉をかけていいのかも、 わからない。
いつもワガママばかりで、 頼ってばかりの、 できそこないの妻に何が言えるというのか。
慰め方を一晩考えた結果。
翌朝の朝食に、 彼が好きなタマゴサンドを作った。
*全て仮名です。
銀行で自分の順番を待っていた時のことだ。
なにやらATMの方が騒がしいので、 暇つぶしに聞き耳をたててみた。
ロビー係の男性が、 中年女性に問い詰められている。
「いつもは何も言われないのに」 「なんで、アンタにそんなこと言われるんだ」 「鎖?! 鎖じゃなくてヒモって言いなさいよ」
どうやら、 イヌを野放しで銀行に入ることを注意されたようだ。
イヌはといえば、 我が物顔で銀行中を歩き回っている。
そりゃ行員も注意するだろう。
だが女性は銀行中に聞こえる声で詰問を繰り返す。
「私はアンタよりも長くここに出入りしてるのよ」 「家族全員、預金をここにしてあげてるんだからね」 「アンタの名刺を渡しなさい」 「店長よびなさいよ」
ああ。 この女性は全然わかってない。
人を辱めているつもりが、 自分を辱めているということに。
駆除はしましたが、感染したかもしれません。 私から添付ファイル付きメールが届いた場合、開かずに削除してください。
皆様にご迷惑をおかけすることがないように……。
ダンナはよく「いいよ」とよく使う。
私はこれが好きじゃない。
「何々してもいい?」と聞いた時に、 そう言われるのは大丈夫。
でも、
「何々しようか」と聞いた時に、 そう言われるのが好きじゃない。
「いいよ」の中身が気になる。
彼自身もしたくてするのか。 彼自身はしたくないけどするのか。
この差は大きい。
もっと好きじゃないものに、
「何々する?」と彼から聞かれて、 私が同調した時に使われるものがある。
「いいよ」は、
同意じゃなくて、 許可だということ、
わかってる?
納得のいかない心理テストが、 世の中には数限りなくあるけれど、
小学校の時に、 友人に教えてもらったやつを越える物には、
まだ出会えない。
友:「好きな人を殺したとするじゃん」 私:「殺さないよ」
友:「死んだとするじゃん」 私:「やだよ」
友:「死体があるじゃん」 私:「ないよ」
友:「切らなくちゃいけないとするじゃん」 私:「なんでよ」
友:「首と足の付け根と切るのと……」 私:「痛そう」
友:「縦に二つに切るのと……」 私:「もっと、痛そう」
友:「どっちがいい?」 私:「どっちもしない」
友:「どっち?」 私:「……首と足」
友:「じゃぁ、こまはその人が本当に好きなんだね」
……なんで?
またやってきたかもしれない。
なんとなく優れない時期が。
この時期が来ると、 繰り返し繰り返し、 自己憐憫が始まる。
どちらかというと、 恵まれた環境にいるはずで、
自分で自分を可哀想がる理由なんて、 どこにもないはずで、
無理やり不幸を語るならば、 「最近寒くて」という、
だからなんだって話ぐらいしかないのに、 気分が階段を降りていくように落ちていく。
理由は分からないけれど、 要因はわかっている。
ヒマなんだ。
私は。
現在、多忙なため更新が滞っています。
それでも投票してくださる方々、 本当にありがとうございます。
時間を見つけて、 なるべく更新していきます。
余談ですが、 「ありがとう」と同意語で、 「すみません」と使いますよね。
そして、 「すみません」の方が使いやすいために、 自分は乱用している割には、
「ありがとう」と言われた方が嬉しい、
ワガママな私です。
友人T美にたまに訊ねられる事がある。
「こまはいつも幸せそうに見える。 どうしてだろう?」
だからいつも聞いてみる。
「どうして幸せそうに見える?」
そうすると彼女はいつも決まって、 こう答える。
「今の生活ですごく満足してるように見える」
そうだ。 それが答え。
T美は今の生活に満足しない。
良いとか悪いとか、 そういう問題じゃなくて、
どんな状況でも必ず目標があって、 それに向かって歩む子だ。
進むT美。 止まる私。
良いとか悪いとか、 そういう問題じゃなくて。
最近一段と冷え込んできた。
東京の寒さなんて、 北国に住んでいらっしゃる方からすれば、 どうってこと無いのかもしれないが、
そんなこと知ったこっちゃないと、 思うほど寒い。
私は寒いのが苦手だ。 私は早起きが苦手だ。
この二つから、 冬の朝は嫌い。
最近では、 ネコが布団にもぐりこんでくるので、
温かい上に、 可愛いくて、
私の布団離れは、 更に悪くなってきている。
先日の日記で書いた通り、 無事にダメ嫁のなけなしのツトメを果たしてきた。
隣組のお相手はご両親がしてくれて、 若夫婦の挨拶はダンナがしてくれて、
予想通りダメ嫁は、 ニヤニヤしているだけだった。
昔から思ってたことだけど、 ダンナにはトゲトゲした所がない。
悪く言えば、
向上心もあまり無いし、 長いものに巻かれろタイプなために、 頼りなく感じることもあるのだが、
良く言えば、 穏やかで平和主義の人だ。
意識しないとすぐにトゲトゲしてしまう私には、 それがなぜなのかずっと理解できなかった。
ご両親に会うまでは。
彼らに会ってから、 ダンナがどうしてそう育ったのか、 とてもよく分かる。
性格が捻じ曲がっている私でも、 彼らに育てられたらイイコになれただろうか。
ご両親、 特に義母は機転が利く。
子ども達がボンヤリしていても、 全く支障が無いほどに。
彼らと家族になって半年。
良いのか悪いのか、 ダメ女はダメ嫁になって、
成長することも無く、 その道をただひたすら突き進んでいる。
役に立たない嫁のくせに、 今日もたくさんのお土産と、 たくさんのお小遣いは、 しっかりともらって帰ってきた。
ちゃっかりしてる。
結婚して半年が過ぎようとしている。
私は妻としても嫁としても、 かなりの落ちこぼれだ。
気まぐれで行ってる仕事はあるが、 ほぼ専業主婦。
それなのに、 同棲時代の共働き時と、 全く変わらない家事分担。
掃除・洗濯・ゴミ出しがダンナ。
私は炊事とアイロンがけだけ。
申し訳ないなぁと思いつつ、 すっかり彼の優しさに甘えている。
落ちこぼれ妻。
たまに彼の実家に帰省する。
義母はすごく出来た姑で、
若夫婦が寝坊しようが、 嫁が使えない女であろうが、
いつもニコニコだ。
申し訳ないなぁと思いつつ、 すっかり姑の優しさに甘えている。
落ちこぼれ嫁。
明日はそんな落ちこぼれのお披露目会。
ダンナの実家は田舎なので、 「隣組」とかいうのが存在する。
冠婚葬祭時などに、 助け合う田舎特有の制度らしい。
その隣組への嫁紹介儀式なのだ。
落ちこぼれがバレないように、 必死に仮面をかぶるのが、
ダメ嫁のなけなしのツトメ。
2001年11月07日(水) |
必要ないのに欲しいもの。 |
通販カタログをぼんやりと眺めるのが好きで、 もちろん注文するのも好きで、 そして色々と空想するのも好きだ。
電話帳並みに重い大手通販会社のカタログは、 アウターやインナーのほかに、 美容に関するあらゆる品や、 家具なんかも掲載されている。
この薬を塗ってピンクになったらかわいいかな。 広い家に住んだらこんなコーナーテーブルを。 庭があればベリーの苗木を買うのに。
現実と理想がかけ離れているものの場合、 たやすく空想で終わらせることができる。
しかし購入が可能なものの場合、 だが購入しても活用されないものの場合、
私は葛藤を繰り広げることになる。
通販カタログを開くたびに葛藤する品。
それはベビードール。
知らない方のために説明すると、 ベビードールとはスケスケ・フリフリの、 キュートだけどエッチなスリップのこと。
私はもともと「はかない」ものが好きで、 レースとかガラス細工とかろうそくとか、 危ういものにひどく惹かれる。
ベビードールはその傾向にぴったりはまる。
実際買っても着ないだろうし、 着たとしても別物になるだろうし、 ダンナはラブリーよりもセクシーが好き。
飾っておくわけにもいかないし、 タンスの肥やしは確定なのだ。
なのに毎回私は葛藤する。
はかないもの好きな上に、 ささやかな変身願望と、
自分のキャラじゃないために、 ないものねだりの精神も、
大きく作用しているのだろう。
彼女とは話したこともないし、 彼女は私のことは知らないんだけれど、
一方的に忘れられない女性がいる。
彼女は私が以前勤めていた新橋にいる。
当時の業務は経理で、 毎日5つぐらいの銀行を回っていた。
彼女は内幸町駅付近にある、 富士銀行に行く途中のレンガ通りに、 時折姿を見せた。
私はいつも午前中にその道を通り、 関連会社の経理がだいたい午後に通る。
私よりも関連会社の人の方が目撃回数が多いので、 午後に現れるようだ。
高級なうどん屋が入ったビルに佇む彼女。 おそらく待ち合わせ。
身なりは普通だ。 雰囲気も普通だ。 眼もイッてない。
それなのに彼女はいつも、 道行く何人かを呼び止めて、 必ずこう聞く。
「今、何時ですか?」
たぶん、毎日。 たぶん、数十の人に。
関連会社の経理は一度聞かれたことがあると言う。
私は幾度か遭遇した彼女の前を通るたびに、 聞かれた時のイメトレをしていたにも関わらず、
一度も聞かれることがないまま、 会社を辞めてしまった。
日々の生活を行っていて、 空間の隙間にぽろっと落ちた時に、 ふと彼女のことを思い出す。
誰を待っていたんだろう。
そして、
待ち人が必ず来る人であって欲しいと。
「脚本」という言葉がある。 台本やシナリオのことだ。
この言葉は心理学でも使われている。
心理学で「脚本」というと、 「無意識に作ってしまったシナリオ」 の意味になる。
詳しい内容はすっかり忘れてしまったので、 覚えている言葉を総動員して羅列すると、
『幼い頃に判断して決断した内容で、 この無意識の脚本が作られる。
そしてそれが本人にとって、 いい影響を及ぼすものであろうが、 悪い影響を及ぼすものであろうが、
人はそれに沿って行動してしまう。
「どうして私はいつもこうなんだろう?」
そう思うことがあったら、 それは脚本である可能性が高い』
私の脚本はというと、 「すごくがんばっているのに誰にも理解されない」 ということだ。
幼少時代、 テストで良い点数をとっても、 「もっとがんばれ」と言われ続けたから?
原因は未解明だかとにかく私は、 「なんの努力もしないで生きている」と思われる。
それは存在意義を人から誉めてもらう、 または必要とされることに見出す私にとっては、 致命的な脚本だ。
その不毛な脚本が判明したのをいいことに、 私は頑張るのをやめてしまった。
本来なら「再決断」という、 今の自分が改めて判断を下す作業を行って、 脚本を書き直す。
書き直す必要がでてきたら、 その時にやろう。
今はまだ脚本修正すら、 頑張りたくない気分。
慣用句としてではなく、 肉体的に耳が痛い。
原因はわかってる。
鼻かぜによる、 鼻のかみすぎだ。
どうして私はこうも、 加減がわからないかな。
風邪ひくたびに中耳炎。
学習能力も欠如してるみたい。
これが中耳炎だけに言えることだと、 こんなにも自己嫌悪に陥らずに済むんだけれど。
ダンナに矢井田瞳のCDを買ってもらった。
「ダンナに買ってもらう」
これは私にとって特別なことだ。
ダンナと出会った頃、 彼には7〜8年付き合ってる人がいて、
そのことで彼と私の仲、 そして彼と彼女の仲がこじれにこじれた。
そんな暗闇に置き去りにされている状況の中で、 彼にこう言われたことがある。
「僕は愛する人にはプレゼントする。 君には何もあげたことが無いでしょう? だから、僕が愛する人は彼女の方なんだ」
ロボットのキーホルダーをもらったことがあると訴えても、 そんなのはプレゼントの内に入らないとはねられた。
今でもその時のセリフが私の中で膿んでいて、 何かを買ってもらうたびに少しずつ癒され、
ぼちぼち回復に向かっている。
私には幸せなことに、 心友が3人もいる。
もともと極端な性格の私は、 「すごく仲がいい」と、 「環境に属する(した)友達」の2種類の友人しかいない。
「すごく仲がいい」類は、 べったり依存しきっていて、 よく4人でアテもなくグダグダと遊ぶ。
「環境に属する(した)友達」類は、 短大や会社が同じ(だった)で、 頻繁に会うわけではなく、 たまに近況報告をするような仲。
心友T美は「すごく仲がいい」類の一人。
彼女はたぶんすごく変わっていて、 彼氏に会うために2時間かけて化粧をする。
それだけだとそう変わってるようには思えないのだが、
2時間化粧をするために待ち合わせに2時間遅れるのだ。
そして付き合って数年経つのに、 まだ彼に素顔を見せたことがない。
風呂に入った後にもノーメイクのふりして、 薄化粧をしているらしい。
来年結婚予定なので、
「いつ、スッピンをみせるの?」と聞いたら、 「入籍した後。初夜とか」と答える。
「お前誰だって言われたら?」と聞いたら、 「妻だよって言う」と答えた。
ある意味これも結婚詐欺。
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