新月の夜に約束しよう
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妻と休みが合わないので、家族揃っての遠出はできなかった。 昨年の夏休みは確か、先日結婚したナガノ君も一緒に四人で北アルプスの雨の稜線を歩いていた。 今年は妻を仕事に送り出した後、娘と上り電車に乗って都内へ出掛けた。 娘は水族館に行きたかったらしいが、親の強権発動で博物館へ。 どんな場所か怪訝に思っていた娘も、体験型の展示の数々に魅了されたようだった。
濠に沿って炎天下を散歩。 暑いと言いながらも、元気に歩く。 大学の入学式をここでやったよ、とか周りを見ながら色々な話に花が咲いた。 ランチの後に辿り着いたのは、東京ドームシティだった。 私が何も言わないうちから、娘はジェットコースターに乗る気満々。 乗るの? と尋ねると頬を膨らませる。 「だって、こういうのディズニーランドでしか乗ったことないよ」 確かにその通り。 私はまあ落ち着けと、アイスクリームを買ってジェットコースターを見上げる場所に陣取った。 美味しいね、などと笑いながら娘がそれを頬張る。 ↑投票ボタンです
先に寝る、と寝室に消えた妻。 私がその寝支度を始めたのは二時間ほど後のことだった。 暗い中を進み、横になろうとすると妻と目があった。 「ううん、オムライス食べるの」 「オムライス?」と私は訊き返した。 ↑投票ボタンです
翌朝、彼女は何一つ覚えてはいなかった。 夏休み前、最後の出勤。 明日は娘と一緒に弟夫婦のところへ遊びに行く。
CSでやっていたレッド・クリフを観た。 「どう、三国志読む気になった?」 「ううん。人の名前覚えられないよ」 私は笑った。 妻は推理小説でさえ何度も読むことができるらしい。 ↑投票ボタンです
妻は私よりたくさんの本を読むが、私より娯楽に徹しているのかもしれない。 何を読んでも不満を言わない彼女が、ウイリアム・ギブスンは途中で投げ出した。 本の好みが徹底的に合わないのは認めざるを得ない。 彼女と私の領域が重なっている部分は、きっとディック・フランシスぐらいだろう。
プールに行った。 妻は新しい水着に、娘もスイミングスクールのそっけない水着ではないのでご機嫌だ。 二人とも泳ぎが上手なので、私は水の中では存在感がない。 持って行った大きな浮き輪につかまって、浮いているのを愉しんでいるだけだ。 一度本気になって泳いでみたら、視野の左隅から俄かに妻が登場して、あっという間に追いつかれた。 新婚旅行で行った海で妻の泳ぎに打ちのめされてから、私は彼女に勝とうと思ったことはない。 妻が幼い頃に通っていたのと同じスクールに今、娘が通っている。
娘と二人で浮き輪につかまりながら、プールサイドを歩いてくる妻を見ていた。 ↑投票ボタンです
聞かれたら大変なことになりそうな父娘の会話。
妻が離婚した。 もちろん、引き続きフェイブル�兇力叩� メインクエストでなくどうでもいいサブクエストに時間をかけ過ぎたのが敗因。 久しぶりに故郷に帰ると、夫が待ち構えていた。 「この結婚は失敗だった」 捨て台詞の後は、何をしようとももう手遅れだった。 「信じられないよ、もう」 妻は自分が悪いのを棚に上げて、怒っている風だった。 しかし、同時にとてもショックを受けていて通常の操作もままならない様子。 ↑投票ボタンです
履歴書と職務経歴書を書いていたら、午前一時になってしまった。 全て自筆、というのは大変だと不出来なそれを見て私は溜息をついた。 最後に妻に内容を確認してもらった。 「何か、これ見ただけじゃ凄いビジネスマンの人みたいだね」 私がまるで駄目なような言い方ですね、と私は笑った。 どのみち、彼女が私のことを評価できる日は来ない。 私の仕事が何であるかを知らないのだから。
妻の誕生日は、こんな風に始まった。 だが、私に出来ることはおめでとうと言い、歯を磨いて、あとは布団にもぐりこむことだけだった。
今日はアヤセさんと一緒に出張だった。 彼が見馴れない時計をしているので、私はそのことに触れた。 「時計屋ではないが名の知れたブランド」のロゴが輝いている。 「ずっと前に壊してしまって、修理に4万円かかるって聞いてそのまま放置してたんですよ」 それで手ごろな値段の時計を買ったのが、昨日まで左腕にあったというわけらしい。 「で、それも壊れたから4万円出して直したんですね?」 私は聞いた。 ↑投票ボタンです
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