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みかんのつぶつぶ DiaryINDEX|past|will
![]() 凛と冷えこむ季節のせいで、心が動かない。 泣いてしまうと凍りつきそうで、ますます冷えてしまいそうで、 静かに喉の奥へと涙を流し込む。 なるべく笑顔でいようとする不自然さを隠そうと、 すればするほど安易な言葉しか見つからず、 キミを、 傷つけているばかりになってしまった。 検査の結果再発していると伝えた夜。 仕事から帰ってきたキミの、 充実していたその顔に広がる絶望の色を、 まともに見ることのできなかった私には、 はっきりと思い出すことのできないことが後悔で。 あの日も今日も、 窓の外には同じ景色が広がっていたのだろう。 あの夜から3度目の、この季節。
![]() この道をこの暗闇を 抜けて私の家に着く。 どんな日もあんな日も こんな日も。 ほら、星が見てるでしょ。 ちゃんと、見てるでしょ。 遠くに紅く紅く、太陽の名残りが。 なんて美しい光景なのでしょう。 きっときっと彼も、 こうして家を目指して歩いていたのでしょう。 こうして帰れる喜びをひしひしと、 大切に大切に、一歩一歩をひたむきに、 そう過ごしていたあの姿を、最後の冬を、 思いだし歩くこの道。
![]() 柔らかい光りに包まれ心安らぐことに 憧れて 憧れて 宿命と理解しながらも 運命は変えられると自分を信じ 前へ進む たどり着き扉に手をかけたとたんに崩れ去る 砂の城 私が壊した砂の城
![]() 空と海を眺めながらこのススキは、 立ち枯れながらも幾つかの季節を過ごしているのだろう。 その姿に心痛む理由が、あまりにも悲しくて。 悲しくて、遠くを見つめるばかりの私。
![]() これからのことについて、息子から話しを持ち出してきた。必要なことだけを漏らさず要点をはずさずに。 センターのことで質問をしたのだけれど、久しぶりに、言ってる意味がわからない、と言われ、笑いを噛み締めるのにひと苦労した。 今年で浪人は終わらせるつもりらしく、そのためには入学する時のことやら入学した先のことやらもろもろを考慮しなくてはならず、息子はそのもろもろのことを視野に入れ、結論を出してきたというわけで。 第一志望も文�靴�ら文�気悗畔儿垢掘�第二志望は受験校を変更。滑り止めは四校、のうちニ校を滑り止めの滑り止めをと。受験料や交通費をあわせて20万近くが飛んでいくというわけ。 入学金や授業料っていうものは、結構どうにかなるシステムができているらしく、とにかく入ってしまえばこっちのもの。大学で勉強をしたくてもお金がなくて行けないという時代ではなくなったということを知った。 将来への投資ということですか。 彼が生きていたら、父親としてどんな道を息子に提示しただろうかと考えてみるが、想像すらできない。想像もできないのは、一緒に未来を歩んでいけないからなのだろう。あまりにも早く、彼は逝ってしまったのだ。 亡くなったひとができなかったことをしてあげること、それが一番の供養になるという。生きていたらこんなことを私達がしたら喜んだのではないか、とか。生きていたらこんな風に考えたのではないか、こういうことをしただろう、と考えて見ることだと、法要のたびにご住職が話されていた。これは、まだまだ成長過程にある子ども達へのメッセージなのだろう。 死をみつめるばかりではなく、命だいじに生きていきなさいと。
![]() 白い巨塔、唐沢くんの高飛車な態度と生意気顔が小気味良くて。財前教授なんて、あまりにもカッコ良すぎな姓だし。でも、五郎でしょ?黒板五郎さんと一緒よ?北の国から白い巨塔って感じ?ヾ(・・;)ォィォィ 「どうして家族が死んだのか、遺族は真実を知りたいんです」 里見先生に弁護士が言ってたね。 そう、本当のとこを。 知りたくて。 脳外科外来でMRI画像を眺めながら先生が言った。「脳が、萎縮してきていましたよね。ほら、このまわりに空間ができているでしょ」 そう、あきらかに縮んだ脳がそこにあった。数十回にわたる放射線の後遺症。こんなに早く? 「なので、痴呆と同じ状態だったんですね」 だから咀嚼も上手くいかなくなって誤嚥で肺炎になってしまったの? だから意識が混濁する日が多くなってしまったの? 違うでしょ?小脳にある腫瘍や右側頭部に再発した腫瘍が原因じゃないの? そして脊髄にある腫瘍が少しでも大きくなるたびに彼の四肢は麻痺していったんでしょ? 最期には首さえも。自分で支えられず動かせずに。 いざとなると、もう終わってしまったことなのだからと言葉を飲みこむ自分もいて。「旦那さんの画像は、ここにたくさん保管してありますよ」外来の看護師さんが慰めのようなことを言っていた。 病気が人格を磨くっていうけれど、 それは、身を削っているという残酷なことだと私は思う。
![]() だるまさんが ころんだ だるまさんが ころんだ これぜ〜〜んぶ転がしてみたい衝動にかられる。 お大師さん周辺は、相変わらずの風景で。 どれくらいここへ来ていなかったかと、 記憶を呼び出す作業に疲れるようになった。 ある意味、よい現象かと。 ここで、一緒にダルマを買ったね。 父にも、買っていったんだ。 二人とも、ずいぶん遠くへいってしまったね。 幼かった子ども達も、 それぞれの道へ旅立つんだねえ。 私は、 いつまでもこうして、こういうことを思い出しながら、 温かい気持ちで過ごしていきたいよ。
![]() センター試験の解答速報?をプリントする息子の顔は疲れていた。安堵感漂う感じにも受け取れるその柔らかい表情に、こちらがちょっと安堵したりして。 とにかく行きは雪道にならずに良かった。帰りには素晴らしい夕焼け空と、長く長く続く飛行機雲。これからの2ヶ月、結果が出されるんだと思うと・・・やっぱり見守るしかないな。 娘は検定へ、息子はセンターへ、私は仕事へと、朝三人それぞれの時間に家を出て。みんなが留守になること、それはとても何気ない風景なのだけれど、幸せなことなのだと道々噛み締め駅へ向かった。 空へ旅立った人々へ感謝と祈りを胸に。
![]() センター試験の季節になった。息子は、どんな気持ちでこの日を迎えているのだろうか。人生において通過点に過ぎない受験、一年間の浪人生活、青春の1ページ。 夢を見た。 どこか見知らぬ空間にたどり着いた私は呆然と立ちすくむ。光り輝くその白い景色のなかに、幼い頃の息子がニコニコと微笑み私を見つめていた。 白い洋服を身につけた息子の身体は景色に溶け込み、その愛らしい笑顔で私の息子だと気づいた。 お母さん、と、声をかけるわけでもなく、私がいることを静かに見守り微笑んでいる息子を見つけた。 この子は、こうして私をいつも、そっと見ている子だったな、と、熱くこみ上げるものを胸に感じたときに、目覚めた。 忘れていた母性愛なのだろうか。
![]() 笑ったつもりの横顔に落ちる影を、悟られるのが嫌でそっぽを向く。 なぜ不機嫌になったのかと問いかける優しさに、逝ってしまった人の横顔を思い出す。 彼も優しいひとでした。 彼は優しいひとでした。 永遠に、優しいまま。 死が、二人を分け、 死が、子ども達と分け、 永遠に優しいまま、永遠のお別れをしました。 彼が生まれ育った川崎を通過するときはいつも、 切なくて、切なくて。 もっと生きていたかったと、 彼の想いが燃え立つように紅く染まる空に、 ただ言葉も失く。言葉は、無く。
![]() 夕暮れには、笑えない自分がいることを知っている私がいて。 淋しい目の色に変化した私を そっとして置く術を知る人がそばにいて。 まわりに人がいても、 私は孤独な時間を持つ癖がついてしまって。 この悲しみは、 私の生きてきた証。紅く紅く。
![]() 満月は、ポッカリと穴の開いた私の心。 三日月は、キリリと痛む爪痕。 半月は、えぐり取られた傷跡。 冬の空は、厳かな戒めの儀式を私にうながしているようで。 北風を吸いこみ、これ以上波立たぬように心を凍てつかせ。 独り、黙々と、 独り、淡々と、 声無き遠吠えを繰り返す。
![]() 波穏やかな東京湾を滑るように進む船上から夕焼けを眺める。 一番星が姿をあらわしているこの景色を、 悲しみの窓辺で眺めている自分もいたことを思い出す。 生きていることの不思議を噛み締める私の頬に刺す海風の冷たさが心地良く。 そう、まだまだ私の航海は続くのよね。
![]() 新年明けましたね。ピタリと忙しないことが無くなった江戸です。ネジゆるんでます。 この日記をお気に入り登録してくださっている皆様、あらためまして、江戸むらさきと申します。ええ、そうです、昔の名前は柑橘類でした。日記も名義変更いたしましたが、綴る人間は何ら以前と進歩も発展も変化もなく同じ人物です。お差し支えなければ今年も、どうぞよろしくお願いいたします(*^^*) 今日笑っていたかと思えば、明日は嘆きの日になっていたり、二日前には激怒していたことを、三日後にはあっさり許していたり。そんな感じでボチボチトボトボと行きます。そう、今年は、また一歩、もしかしたら三歩?進んでみることができたらいいなぁと思っています。 勝っておごらず、負けて腐らず。
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