東京行きのオレンジ電車が すうっと闇夜に吸い込まれ あたしは一人ホームに残る
新宿駅はいつもより人が少なく 疲れた顔のヒトガタがぽつり ぽつりと歩いて消えていく
あなたの好きな池袋まで ついて行けば良かったのかな そこまで迷惑かけられないし あたしはそこまで馬鹿じゃない
上野で愛し合った結果が今日だったとしても あたしはそれでも構わない
お台場に眠る海の怪獣が 明日あたしに襲ってきても
この街はきっと何一つ欠乏するコトなく 機能していく そんな街をあたしは 眠りの中で深く愛している
2005年02月15日(火) |
priority seat |
何気無い一言であなたを傷付けた あたしに言い訳は出来無い あなたの優先席にいつまでも居られると そう信じて疑わなかったの
枯れ葉も生き返る季節が 少しずつページを捲る 綺麗な水色のキャミソールが 一番似合う頃にあなたはもう居ない そんな夢が成立しないように 今はただ心の声を聴いているだけ
どんなに深く奥まで愛し合っても 深夜のファミレスなあなあの会話 途切れる空気に息が出来無くて あなたの携帯触れるその指で 煮え切らないあたしを包んで欲しいよ
どうしてあなたのコト 想い出すと心壊れそう? 歪んだ愛情を曝け出して
どうしてあなたのコト 考えると心切ないの? 儚く散った激情を投げ捨てて
あの手紙はもう海に消えた それでもあなたの想いは此処に
涙がとめどなく溢れてく 月夜の晩に悲しみを そっと沈めてみる もう誰も拾ってくれないものだとしても きっとずっと覚えている
仮の約束なんて 振り返ること無い 現実から逃げた獣に 生き延びる術を与えないから
馬鹿でも良い 笑って欲しい
刹那に願う灯火の彼方に 見える姿はネイルの残骸 生きる術を見出せない生命なら そこで終わるのが宿命
馬鹿でも善い 呆れて欲しい
君に見た永遠の欠片を 今も隠せずに抱き締めて居るから あたしはいつまで経っても 君の幻影に囚われたまま
馬鹿でも好い 救って欲しい
最後の切り札 最悪の心持ち
2005年02月10日(木) |
Meteor Station |
心が溶ける
流星の彼方に セピアの色が重なる 濃淡に迫る未来の記憶に 哀れな愛色も届かない
色付いた景色さえ 手中に入れる事を 求め彷徨う魂にも 抗う心持故に今も尚 赦されるのを待っている 君はいつだってそういう人だ
流星の彼方に オレンジの世界が広がる 堪能に埋れる過去の疑惑に 憐れな藍色も揺るがない
はばたいた奇蹟 もう二度と 出逢わないように
真夜中過ぎに送った メールの返事は いつまで経っても 返らないけれど
こんな想い しなくてもいいならば しない方が良かった 広い世界の中で あなたと出逢ってしまった 奇蹟という過ちに 気づいた時は もう遅過ぎたから
さようなら 想い出と共に あなたを愛する事が 出来たなら
出来た なら
浅い夢だった 遥かな泉の幻想世界に 君が居たコトも忘れてしまった 今さっき想い出した遠い日の欠片
頭痛に悩まされた日々も 明日の本能に従って生きる日々も 淡い夢で終わる 世の中なんてそんなモノだ
君が居てくれたコト 君を忘れてしまったコト 何一つ後悔などしていないから 君もまた浅い夢を見ているんだろう
絶対に涙は出てこなくて あたしは冷たい人間になってしまっていた そんなの哀しい 感情の起伏が無くなってしまって ただ平坦な道を歩いていくだけの人生 そんなのいやだ
取り戻したいけどもう二度と 手に入れるコトは出来ない同じモノを ただがむしゃらに欲する訳じゃない 同じモノはもう何処にも存在しない だからあたしには明日が巡ってくるんだ
探しているのはもっと大切なモノ 心を込めて送った花束よりも 大きくあたしを揺り動かす力 誰かに頼ってばかりの小さなあたしを 蹴っ飛ばしてもう一度夢を見させてよ
あたしだけのヒト ずっと傍に居て
すり抜ける春に誘われて 呼んでみた名前は虚しく響くだけ 「あたしだけのヒト」
小波の夏に遊ばれて 呟いた台詞は切なく落ちるだけ 『あたしだけのヒト』
残されて佇む秋に魅せられて 抱き締めた匂いは正しく薫るだけ 【あたしだけのヒト】
凍えるだけの冬に迫られて 遠退いた輝きは激しく醒めるだけ 《あたしだけのヒト》
あたしだけのヒト ずっとずっと傍に居て
例えばこんな風に テレビを見ている時 気づけば探してる 君の影を
君の隣に居るのはいつだって あたしであって欲しいから 落としているのはいつだって あたしの切ない数え歌
また一緒に笑いながら 泣きながら話し合いながら ふざけながらあなたと 一緒にテレビが見たい
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