まだもう少し布団に入っていたい早朝。 そんな時間に私は初めての光を受けた。 ゆらゆらと暖かい胸につつまれて 幸せな夢を見ていた私は、少しの肌寒さに きっと体に似合わない大声をあげたのだろう。 今と違って生まれるまで分からなかったけど、 とても小さかったから確信していたと 永遠の笑顔でその人はいう。 私に全てを与えてくれた人。 寒さに怯えた私に永遠の愛を教えてくれた人。 何年たっても彼女はその日を間違わず、 必ず優しい声を聞かせてくれる。 記憶はなく、想像するだけで精一杯の 遠い過去。それでも簡単にあの日へ心は飛んで、 抱かれた優しい腕を思えば涙が溢れる。 命が始まったあの日。私はただ後悔しない 人生を真っ直ぐに歩くだけ。
せかされるように開くページは、 悩みの深さを物語る。 たどり着いた場所は、少し足りないものの 方が勝ってる。 見えなくなる自分と、ないがしろにする自分。 どちらも手におえなくなり、後は泣けばすむと 誰かに頼る癖が顔を覗かせる。 必死で守り築いて来たものに邪魔をされる、 遠いはかない道のり。 先を見失わない事と、今立っている場所を 放棄しない事は同じだけ難しくて大切だ。 零れ落ちた欠片を拾い上げ、 もう一度パズルを完成に導いていく。 愚かな自分ごと拾い上げて。
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