
しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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1996年06月04日(火) ■ |
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立派な施設でも中身のない箱に(38歳) |
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静岡新聞 朝刊(読者のページ)
柿田川のほとりで開かれた「民族楽器演奏会」へ足を運んだ。 自ら文化情報発信基地になろうとしている、 民間レベルの仲間たちが集まって開催した草の根的なこのコンサートは、 公務員の私にとって「文化」に対する考え方を根底から崩されたような 事件でもあった。 近隣市町村に近代的な文化センターが建設され、 その施設がない清水町は文化的レベルが低いとさえいわれ続けてきた。 確かにハードの面から考えると後れをとってきたかもしれない。 しかし、何十億もかけた施設が有効に活用されなければ、ただの箱に過ぎない。 演奏者と観客が同じ視線で楽しめるミニコンサートは、ライブに近い感覚であり、 これこそ町民文化の原点なのかもしれない。 生活者が年に何回も行けて、普段着、 それも自転車でいけるような場所で開催され、 ある時はスタッフの一員となって企画運営のボランティアとして参加できる、 そんなコンサートが町内のあちこちで開かれる状態になった時、 本当の意味で文化レベルが上がったと言えるのであろう。 ソフトの充実を実感した一日であった。
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