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『虹色と幸運』柴崎友香/『つづきはまた明日 3』紺野キタ/『青みゆく雪 1』宇仁田ゆみ 2011年10月17日(月) 『虹色と幸運』柴崎友香大学の事務員として働くかおり、イラストレーターとして活躍する珠子、結婚して3人の子どもを育てながら雑貨屋を始めたばかりの夏美。30歳を迎えた同級生3人、彼女たちの思いとは…。 ------------------------- うーん、なんか、なにも起きないんですよね。特別なことは。 すごく普通に毎日が過ぎていく。そんな1年間の話。 でも結構おもしろかったです。なんとなくわかるなあと思うようなことが多いせいかな。となると、男性が読んでもおもしろくないのかもしれないですね。この年頃の女性が読むと、きっとおもしろいと思います。 前に読んだ『寝ても覚めても』より、文章的には読みやすかったな。 ★★★ =================== 『つづきはまた明日 3』紺野キタ 最近、というわけでもないだろうけど、母親が不在(であることが重要になっている)物語をよく見かけるなあと、唐突に思いました。 父親が普段不在であることは、日常だから物語になりにくいってことですかねー。 =================== 『青みゆく雪 1』宇仁田ゆみ 中国からの留学生、青(セイ)くんは、同じアパートに住む雪子に片思い中。 いつも、夕食を作って、帰宅する雪子を誘うのだが…。 ------------------------- 中国人の男の子が主人公というのが珍しいですよね。 なんとなくちぐはぐな青くんの言動が初々しいやらかわいいやら。 言葉とか、文化の違いとかって、難しいですよねー。私は同じ国の人間相手にも、ままならないよ。 |
『天地明察』冲方丁 2011年10月16日(日) 江戸時代、碁打ちだった渋川春海は、算術に夢中になっていた。そんな春海に、とある命が下る。それは、日本独自の暦を作ること。生涯をかけた闘いが始まった。------------------------- 何度か書いてますが、私は時代小説が苦手なのです。でもね、ほら、好きな作家だから、そりゃ読みますよ。 で、最初はちょっと読みにくいかなーと思いましたが、そこは冲方丁。だんだん世界に飲み込まれていきました。なんかもう、各所で泣かされたんですが。どこで?と思われるかもしれないけど(笑) あの、各所ですよ(笑) この人の文章には、条件反射で泣いてしまうようになってしまったのかもしれない…。 読み終わるとあっさりしていたような気がしますね(笑) 読んでいて、ああ、この本にはいい人しか出てこないんだなあ、と思いました。 この前に読んでいた『ハタラクオトメ』もそうだったんですけどね。 世の中にはもっと不愉快な人も多い。だから現実的ではない、という意見もあるかもしれない。けど、私はそういういい人ばかり出てくる物語を読んで、心地よいなあと思ったりします。好きです。いいじゃないか、そういう世界に浸ったって! ★★★☆ |
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