日記でもなく、手紙でもなく
DiaryINDEXpastwill


2001年10月08日(月) フィレンツェの宮殿の職人たち展


 新宿・伊勢丹で開催されているフィレンツェの宮殿の職人たち展を見に行きました。
 新館にある、通常美術館として使われているスペースで開催され、現品即売も行われています。

 銀細工のコーナーでは、客の若い女性が親方に細工の仕方を伝授されている風景などもあり、なかなか楽しいことは楽しいのですが、展示されているモノの種類がかなり限られてしまっているのが、本当は一番残念に思われたところでした。
 それぞれ即売されているのは、金細工などを除くと、小物なら買えない金額ではないものの、ちょっと中途半端に高い感じがしたのも事実。

 私が見た中で、一番関心をもったのが、スカリオーラ象嵌細工をやっている、ルンゲッティさんの工房。
 石膏嵌め込み細工というものですが、一時期この技術が伝承されなくなり、ルンゲッティさんの研究によって蘇ったもの。再生させた努力とその研究というのは、極めて大きな意味をもっているように感じます。

 現地では、この技術を教える教室も開かれているとのこと。

 *****

 とうとう米英軍による、アフガン報復が開始。
本当は少なくとも後1−2ヵ月ほど延ばして欲しかった.....


2001年10月07日(日) 神戸ポートアイランド線


 京都から、神戸の中心三宮までは、新快速で約50分、梅田の大阪駅からだと、たかだか20分程度の時間で着いてしまう位置にあります。
 それでも、阪神大震災の前の10年近い期間、そしてその後今年までの期間、神戸まで行くことがありませんでした。京都や大阪へ行く時というのは、ほとんど(観光的要素のない)用事で行くということばかりしていたような気がします。
 神戸まで行ってみようか、そんな気分的なゆとりのようなものを、やはりどこかでなくしていたに違いありませんが、たぶん、忙しいので神戸まで行く機会がなくて、などという言い訳を自分の中でしていたのだろうとも思います。

 もっと若いときは、私にとって神戸というのは、大阪以上の魅力を湛えていた街でしたし、年末に刺すような冷たい風が吹くにもかかわらず、わざわざ六甲山ホテルへ泊まりに行ったり、その後で六甲おろしの吹く神戸の街を、元気に歩き回っていた記憶もあります。
 就職して初めてのゴールデン・ウィークには、元町から近い、ポートタワーのすぐ横にあったタワーサイド・ホテルに2泊して、そこを中心に神戸駅の周辺から三宮まで、かなりくまなく歩いた記憶もあります。

 ほとんどご無沙汰していた神戸ですが、法事の翌日に三宮でお昼に人と会う予定を入れておいて、三宮に着いたのが11時少し前の時間。ちょうど1時間ほど空き時間ができましたので、私の記憶の中の神戸ではまだ走っていなかった、ポートアイランド線に乗り込んでみました。
 一番前の車両の、運転席に見える場所のすぐ後ろの席にこしかけると、運転手のいないまま電車が発車し、自動運転のアナウンスとともに、そこに展開されていく景色に見入ってしまいました。

 立ち並ぶ高層のアパートやマンション群を見ながら、南公園や埠頭を通り抜けて一周し、もと来たポート・ターミナル駅で再び合流し、そこからは三宮駅まで同じところを辿っていきます。

 三宮で乗り込んだとき、私の前の席にリュックを背負った小学生とその母親が座りました。
 どこで降りんのかわかってんの?という母親の問いかけに、首を大きく縦に振った男の子。その2人は、観覧車が一番近く見える南公園で降りました。この辺で、ポートピアをやっていたのだろうな、そんな推測もそれでできました。ポートピアというと、本当にずいぶん前のことになってしまい、それには行かなかった私には、そのポートピアというのが、一体何であったのかすら記憶から消えかかっていました。

 少しまだ時間の余裕があったので、ポート・ターミナル駅で降り、外へ出ると、釣り人が数多く糸をたらしているのが、少し上から良く見えます。良く晴れ上がった日で、日なたは少し暑いくらいの日。吹く風が気持ちよく感じられます。
 釣り人をぼんやり見ていると、ハゼでしょうか、よく魚も釣れていて、本当にのどかな雰囲気。
 そこから見える六甲の山並みも、その下に展開する神戸の街も、学生の頃に来て神戸港を見下ろしたポートタワーもそのままのようで、一見すると何も変わらないように見えたりもしたのですが......

 人気のないホームまで戻ると、後から一人男性が上がってきました。
 「昔、ポートピアやってたとこは、どこで降りたらええんですかな?」
 私も旅人ながら、「遊園地のあるところでしたら、南公園でしょうか。」すらすらと答えてしまいました。このアイランド線を一周して、その時、少しだけ知ったかぶりのできる旅人になっていたようです。


2001年10月06日(土) 法事

 父親の百か日で、再び京都の菩提寺まで行く。

 今回は三連休初日ということもあり、一週間前切符を手配するときに、午前9時台の指定は満席になっていて、一瞬あせりまくったのだが、10時台ののぞみが空いていて、なんとか間に合う時刻に着けると一安心したことを思い出した。
 10時台ののぞみでも、ほぼ満席に近い状態。海外旅行から、急遽国内旅行に変更した人も多いのではないかと思いながら、少し早めに大丸の地下で買ってきた弁当を食べて、うとうとしているうちにふと気がつくと彦根を通過していた。

 昼間の気温はかなり上がる。
 本堂で読経のおり、親戚にあたる人の2歳半の子供が、ずっと一人で歌をうたっていて、普段よりも住職のたたく木魚の音が大きかったような気もする。

 その後、参列者10名で、堀川・松原にあるレストランで食事。
 食事が終わると、ちょうど日が沈んだ頃で、外へ出るとかなり温度が下がっていることに気づく。夏物のジャケットだと、やはり肌寒い感じ。昼間はこの格好でも暑いくらいで、寺へついた頃は、結構汗をかいていたのだけれど。


riviera70fm |MAIL