『スウィート・バイエル』
『スウィート・バイエル』

モクジ 今ヨリ、カコへ 今ヨリ、ミライヘ


2006年01月06日(金) 男友達に会う -2-



 
(1/5の続き)
 
そして、お姉ちゃんの話。
大阪に居たのは3年ぐらい。
もちろんその間に、付き合ってる人はいたらしい。
スポーツジムで知り合った(インストラクター?)女性とのこと。
 
「で、彼女はどうしたの?」
「2ヶ月前に別れた」
「?」
「オレはずっと大阪に居る気はない。大阪に居る間だけのつきあいだ、と言ってたから」
「はい〜?? それで?」
「うん」
「あのねぇ……(怒)」
 
コイツ、彼女の気持ちとか聞いたのか!?
そんなこと聞かずに、大阪離れるからハイサヨナラなのか!?
 
……思えば私もそうだった(苦笑)
で、1年後再会して話をして、私にご主人様が出来たことを知り、がっくりとして。
「だって私を捨てていったでしょ?」って問いただしたら
「捨てていない! 仕方ないだろ、東京で仕事がみつからなかったんだから!」
って言い放った人だ。
 
 
「大阪と名古屋だよ。移動に1時間はかかる」
「……1時間がなんなのよ。私は1時間半かけてご主人様に会いに行くよ」
(正しくは--私の家から待ち合わせの駅までは2時間かかる)
「そうなのか?」
「うん。電車だって普通のは1時間に一本しかないから。
 乗り遅れたら、特急に乗る。
 電車賃より高い特急指定料を払って、
 『また特急に乗っちゃったよ〜』と泣きながらいくの(笑)」
「それはすごいな。特急かぁ」
「だって、遅刻したらかっこうのお仕置きネタになるし。
 それになにより……逢える時間が少なくなるもん!」
 
 
 
男友達には、きっと私が話すことなんて、ちんぷんかんぷんで
理解できないことだろう。
 
大阪のお姉ちゃんとだって、そばに女が居なきゃ寂しいから
気に入った娘とつきあっていた程度だったのだろう。
彼と知り合って、気づけばもう7年。私でもそれくらいは話から推測できる。
 
でも……彼女はどうだったんだろう?
本気だったらとても可哀想なことだ。
 
男の人にとって、やっぱり仕事が一番。
それは私も分かってる。
というか、仕事を一生懸命イキイキやってない男性には魅力を感じないもん。
 
仕事優先、おおいに結構。
仕事が理由でデートキャンセル、あたりまです、構いません。
私はいつもそう思ってる。
思ってるんだけど……
 
仕事も大切だけど、女も心のどこかで大切にしてくれないと。
自分が大切にしなきゃ、相手にだって大切にされないよ!って
私は心の中で彼に訴えてた。
 
 
-------------
話はエロい方向に変わる。
 
 
「それで、彼女とはどんなことを?(笑)」
「普通のsexだよ」
「……普通って(笑) 普通っていろいろあるけど(笑)」
「普通」
「あの……それじゃ、私とのことが
 まるで普通じゃなかったみたいじゃないですか」
「(含み笑い)
 彼女はエッチな身体をしてたんだけど、至って普通だったなぁ。
 アブノーマルなことはしてない」
「あー……私も今だって、ご主人様と
 そんなにアブノーマルなことはしてませんが(苦笑) 
 ちょっと縛ったり、ちょっとムチで叩かれたり、
 ちょっとアナルをされたり、ちょっと聖水を口で受け止めたりとか」
「(苦笑)」
「私だって普通なのに」
「いや」
「……私ってエッチ?」
「うん……それに、好奇心あるだろ?」
「好奇心ねぇ……ちょっと違うんだけど」
「なに?」
「えー……そういう裏側のことを全部知っちゃいたいの?」
「うん」
「……私はね、以前はsexの感度がかなり低かったの。
 でもそれって相手に失礼でしょ。
 だからね、せめて喜んでもらいたいと思ってたの。
 それ故に、要求されることを『喜ばれるのなら』ってしてただけ。
 自分がしたかったことしてた訳じゃない。
 ほら、私、尽くし型だから(笑) 」
 
 
そして話をしていくうちに分かる。
なんか……勘違いをしているというか、
いや、世間一般普通の方がみんなそう思ってるのだろうけれど。
 
主従関係、SMの関係というと、
なんかもうこてこてな典型的なアレで……
プレイだけの世界というか。
 
やりたいことだけ勝手にプレイする、みたいな。
 
違うってば、そういうのじゃないのね。勘違いしてる!
私は何度も言ったけど、こういう関係を経験したひとじゃなきゃ
きっと分からない。
 
心の繋がりであって、人間の関係であって、
SM的行為というのは、心を開いたり互いが楽しむための
ちょっとしたきっかけだということ。
「気持ち」がなきゃ、虐めるなんて出来ない。反応なんて返せない。
虐めて、責めて、相手が反応して、
うっとりしたり、頑張りましたって泣きながら縋ってくる相手を
「カワイイヤツだ」って顔をして頬を撫でたり、キスをする
それが嬉しくて泣く
……なんてこと、きっと理解できない。
 
いや、そういう経験をしているしていない、に限らないかな。
少なくとも男友達には絶対理解できないことだろうな、と思い説明をやめた。
私が今ご主人様にどれだけ大切にされているか伝わらないのは悔しかったけど。
 
 
 
なんか話していて気づいた。
男友達って、女性に対して、愛おしいって思える瞬間がないのかも、って。
例えば、sexの最中だけでもいい、その瞬間だけも、相手が愛おしくてぎゅっと抱きしめたいなんて……思わないのかも。
 
さみしいなぁ。
 
 
そして……そうか、と。
私はそういう男性とばかり関係を持ってきたので、
自分の相手への感情や要求って、押し殺して言わなかったのかも。
 
言ったら迷惑になる。理解してもらえない。うざったいって思われる。
ずっとそう思ってきた。
でも……ご主人様がそれを変えた。
でもまだ足りないらしい。忘年会デートでも、お酒の席でご主人様にそれを指摘されたし。
 
帰り道に思う……
彼はいつでも自分が一番だ。もちろん人のことを気にかけてくれる。
部下を可愛がる。
でもやっぱり、自分が一番なんだ。ことにプライベートに於いては。
私は彼にとってなんなのだろう?
時たま思い出す、彼にとっての「甘えられる、東京の愛人宅」なのだろうか。
 
 
いろんなことを考えた一晩だった。
男友達「自分が一番主義」と、私「尽くし型」が、
ものすごく理解できちゃったし。
そして、彼が……実は「私」を理解していなかったということも
改めて思い知らされたし。
 
美味しいモノを食べたら、変わったモノをみつけたら
「ああ、一緒に食べたいなぁ。今度持って行こう。今度一緒に行こう」
って思ったり、
一緒に居て美味しいモノを食べたらふたりで感動して、
まずいモノを食べたらふたりでまずさに対して追求すべく論じ合って
面白いモノを見たら一緒に楽しんで、
自分が面白くても相手がつまらなかった、どうして!となじって。
そういう楽しみも出来ないんだなぁ。一緒に遊べないって、つまらないよ……
 
 
  
変わって欲しい。
まだ人生半ば。これからだって生きていく。
これからの人生、楽しかったり感動したりして生きていけるよう、
楽しかったって言えるよう、彼に変わって欲しい。
 
でも彼は決して冷血ではないのだ。
ビジネスや趣味の範疇では凄く人を大切にするのに。
 
 
 
今後は会えるのか、もう会えないのかわからない。
彼が私を思い出せば、呼ばれるかも知れない。
まぁ……ダチであることには変わらないのかも、だけど。
 
 
男友達に言われた。
「じゃあ、調教の時はラブラブなんだ」
私は自信満々に否定し、笑顔で付け加える。
「ううん、普段の時もラッブラブなの♪
 私ね、男の人にこんなに大切にされたの、はじめてなの」
 
男友達は私のとなりで、溜息まじりに「普段もラブラブなのか……」って呟いてた。
 
 
追伸---
もっと決定的に彼に対してブルーになるというか
見限ったり、落ち込むことがあったのだけど、
それについては、今はナイショ。
 
男友達に会い、ネガティブな気分を貰ってきちゃった私は
それから数日間、ドツボにはまるのでした(涙)
 
  《 2006.01.19 13:15 記》






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2006年01月05日(木) 男友達と会う -1-


 


昨夜、男友達と飲みデートをしました。
会うのは久々で、2年ぶり。
 
話を聞くのは面白かった。
最近私がふれあっていない「ビジネスの世界で生きている人」なので
とても話は興味深かったし、電機業界の話も面白かった。
どんどんでっかい仕事をして欲しいと思いながら
 
だけど。
 
仕事以外の人間関係や、彼の気持ちについての話になってくると
「?」となる部分が多くて。
 
私は、
女性同士というのは、自然と、基本姿勢が互いにそうなので
この場では省くとして……
こと近しい異性に於いては、私に辛い心情や悩みをポツリと話されたら
なんとかして精神的に助けたいと、いつも思ってる。
 
もちろん、生活も仕事も全く別々だから、何をどう相手を助ける
なんてできないのだけれど、
そのプラべートな関係だからこそ、出来る精神的援助というのものがあると思ってる。
 
かといって、何するわけでもないんだけど(笑)
だいたいは隣に居て話を聞いて、相手の話から
なるべく相手に同調するように自分をもっていって極力分かちあうようにしたあと
「ん……でも……大丈夫だよ〜」とヘラヘラするだけ。
 
こいつ、何へらへらしてるんだよ!ってムカツクかもしれないけど
でも私は、時々、無責任でいいから『大丈夫だよ〜』って誰かに言って欲しくなるのだ。
そんなの私だけかもしれないけど、でもそう言われ続けていると
なんか「あれ?そうなのかな」って思えるようになったりしちゃうような気がして。
 
話を聞いていて、一緒に凹むコトも大切だけど
ただ一緒に凹んで凹んで沈んだままでいても仕方ないじゃない。
それじゃ、なんにもならない。相手にとって癒す立場になれないもん。会話をしている意味がない。だから。
 
 
男友達と関係のある期間、私も極力それをやってきました。
  
  
今回の飲みデートでも
途中から、そんな感じになってくる。
2年のブランクをものともせず、私はすーっと自分の立場に戻る。
  
  
それはいいのだけど。
  
なんだよ!!
男友達……ネガティブ部分が、ええかっこしぃが
増長してるよ!(涙)
  
  
前からそうだったんだけど。
ええかっこしぃ的な、そう、言うならば
「クールに、世の中をナナメに見ている方がカッコイイ」
的な発言をするところ。
私は昔から、彼のそんなところを、ばっさばっさと切っていった。
「あのねぇ、そうじゃないでしょ。それじゃだめでしょ!」
3つ上の、確実に社会では私より立場が上の人を、叱る。
男友達はそれを聞いて、ニコッと笑う。
  
ああそうかぁ……この人って、女性にそういうところをツッこまれて
叱られたりとか、ズバズバ言われたりとか、されないんだろうなぁ……って思う。
  
いや、私としてはそういうタイプの男性とは
何人かかかわりがあったので、
はいはいはいって感じなんだけど。
(というか、そういうタイプの人にしかもてなかった(笑))
彼にしては新鮮だったのかもしれない。だから好かれたんだろうなぁ……。
 
 
-----------------------
 
「で、ご主人様だっけ? とは、まだ続いてるの?」
「うん、続いてる。長いよね〜」
「そうか。オレが会社を辞めた頃だよな、3年?」
「うん、丸三年かな、だいたい。
 でもご主人様と関係を持って、私は自分が変わったと思う。
 たとえば……感情というか、思ったことを言うようになったりとか。
 そういうことをちゃんと言うように、いつも言われるから。
 それから、良く泣く。
 本当に泣くなぁ、ご主人様の前だと。良き悪し、なにかにつけて」
「……よく分からないな」
 
そう、私は彼の前で一度も泣いたことがない。
ご主人様がそれを知ったら「麻瑚、今と違いすぎるぞ!」とびっくりするだろうけれど。
 
「そうか……オレ、ものづくり(企画)をしているのに、
 こんなことじゃいけないと思うんだけど、
 モノに感動しなくなった」
「え?」
「物欲もどんどん無くなってきたし。
 若い頃は欲しいものがたくさんあったけれど」
「……それはさぁ、年じゃなくて、
 生活環境とか収入とか
 そういうのが違ってきたってことじゃない? 
 若い頃と違って、
 欲しいものがポンポン買えるようになったというか」
「でも、買っても、ああこんなもんか……って。
 ロレックスだって欲しかったけど、買ったらこんなもんかな〜って」
 
 
 
男友達はファッションや小物なんかが好きで、
(私レベルで)ちょっと高いモノを良く買っていた。
 
今回も、飲み始まってすぐ、時計の話題になったのだ。
 
「オレもホンモノのロレックスが買えるようになった(笑)」
「おお!すごいじゃん、見せて」
「知り合いのコネで、定価で買えるって言うから」
「え? 定価じゃ買えないの?プレミア?」
「これはそう。でも半年待ったんだぞ」
「おお〜、もう一度見せて……ええぃ、悔しいから、指紋つけたる〜!!」
なーんて話をしていたりしたんだけど。
  
なのになんで、飲み後半戦になったら
「ロレックスを買っても感動なし」なのさ!
買えたことは嬉しかったんでしょ? だからすぐに、私にその話をしたんでしょ?
  
彼は……感動しないわけじゃない、物欲が無くなった訳じゃない。
ちょっとそれらへのレベルは低くなったのかもしれないけど、
それだけであって。
ちゃんと物欲も感動もあるのだ。それを自分の斜に構えた部分ですべて押し殺してるだけ。
  
「そんなんじゃだめだよ!
 生きているうちに感動できることなんて限られてるんだから。
 少しでも多くしていくよう、自分でこころがけなきゃだめじゃない?
 私は単純だからだろうけど、
 辛いことがあった日、帰りに立ち寄った
 ドトールでお姉ちゃんにニコッと微笑まれただけで
 嬉しくなるもん。
 優しさに感動して、ほにゃ〜っていい気持ちになるもん!
 小さな幸せをギュッと抱きしめていかなきゃ、
 幸せな気持ちになんてなれないよ! 嬉しさなんてわからないよ」
「……うーん」
「私は、感動とか……そういう気持ちを忘れない。
 だってそういうのをなくしたら……文章なんて書けないもん!
 日記ひとつ書けなくなるもん!」
  
   
私と彼は、立場も違う、生きている場所も違う、している仕事も違う
私はアマチュアで彼はプロだ。
でもめちゃ大きな分類をしたとしたら……
 
彼だって、私だって、クリエイターという部分にはいるのではないだろうか。
冷静な部分は大切だ、誰にだって冷たい部分はある、冷めた部分はある
 
でも、
小さな感動って大切だよ。
感動しなくなったことを、かっこつけて話したってだめだよ!
 
他のお姉ちゃんにならソレがかっこよく見えるかも、だけど
私には通用しない。そんな、人間としてつまらなくなることは許せない。
 
……結果、私はめいっぱい彼を叱ってることになるのだろうなぁ(苦笑)
 

 《 2006.01.19 13:00 記》





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